目次 ●6/12(日)〜部活と人形 ・TIPS魅音の叔父さんって? ・後悔の日記(原作外) ●6/13(月)〜魅音の妹 ・TIPS詩音って本当にいるの? ●6/14(火)〜ハンバーグカレー ・TIPSごちそうさま ●6/15(水)〜逆が真 ・TIPS三人組の顛末 ●6/16(木)〜デザフェス ・TIPSはじめましてじゃないです ●6/17(金)〜れでぃ ●6/18(土)〜祭の準備 ・TIPSスクラップ帳よりT ・TIPSスクラップ帳よりU ・TIPSスクラップ帳よりV ・TIPSスクラップ帳よりW ・TIPSスクラップ帳よりX ・TIPSいよいよお祭り ●6/19(日)〜侵入 ・TIPS後夜祭 ●6/20(月)前半〜図書館 ・TIPSスクラップ帳よりY ・TIPSスクラップ帳よりZ ●6/20(月)後半〜電話 ・TIPS深夜の電話 ●6/21(火)@〜打ち明け ・TIPSスクラップ帳より[ ●6/21(火)A〜虫の知らせ ・TIPS4人だけの罪に終わらない? ●6/21(火)B〜失踪 ・TIPSスクラップ帳より\ ・TIPS園崎家の老当主は? ●6/22(水)深夜〜失想 ●6/22(水)昼〜レナの推理 ●6/22(水)夕方〜捜査 ・TIPSスクラップ帳より] ・TIPS請求却下 ●6/22(水)夜〜電話と目 ・TIPSスクラップ帳よりXI ・TIPS雀荘「鈴」 ●6/23(木)@〜平手 ●6/23(木)A〜自白 ●6/23(木)B〜祭具殿 ●6/23(木)C〜ごめんね。 ・報告書その1 ●6/27(月)〜後日談 ●6/28(火)〜来訪 ・報告書その2 ●圭一の病室にて ・TIPS事件報告 ●お疲れ様会 グレーなのはご愛嬌 ●前書き 鬼隠しと同じ理由で、やっぱり弱すぎるのよね。あのメモ。 目明しの後だから、また違った見方が出来るかも。 とりあえず、正規ルートで。 日常パートの他のルートは別にまとめる。 日付は原作順次で。 -------------------- あなたの渇きを癒せない。 真実を欲するあなたがそれを認めないから。 あなたの渇きを癒せない。 あなたの期待する真実が存在しないから。 それでもあなたの渇きを癒したい。 あなたを砂漠に放り込んだのはわたしなのだから。 堀江のセリフ------------- 本当に伝えたいのは、違う言葉だった。 本当に感じたいのは、違う心だった。 すれ違いが溝を生み、ためらいの気持ちが、 人を恐怖へと沈ませる。 もう、誰にも止められない。 冷たい感情が、剥き出しの心を深く、残酷に抉っていく。 ひぐらしのなく頃に絆 第参章 綿流し 何故あの時と呟く、後悔の言葉。 それはもはや、虚しい響きだった。 --------------------- 6/12(日) 圭一土曜はたっぷり夜更かしして日曜はたっぷり午前中を寝過ごすのが基本スタイル。 レナから電話。母親が出るが、圭一起きてくる。11時半。 魅音にかわる。中国語、ドイツ語なんか 圭一予定無し。 1時いつもの場所に集合。街に行くから自転車で。 「私、一昨日の惜敗、かなり根に持ってるからね〜!!今日ははっきり言って、負けないよー?!」 魅音圭一に負けて不敵な笑み。ジジ抜き。 魅音はものすごく負けず嫌い。魅音は常に『優勝』、そして完全勝利を目指して全力をぶつけてくる。 あの時は必勝の覚悟で挑んできた。 売り言葉買い言葉。 そのまま自転車へ。ガレージに止めてある。 魅音とレナ。 沙都子と梨花ちゃんは直接町で合流。 二人の家は学校の反対側。 みんなで覆面して銀行強盗?負けないよ〜 レナ魅音が現金輸送車の順路時間を教えてくれる。 あはははは 目標は10億強奪! なだらかな坂道を降りて、急な坂道を登る。 そこは興宮の駅前、 たまに来る事もある。だが、おっくう。町はあまり知らない。 踏切を渡り、駅の南側へ。始めて来る場所。 こっちはゲームセンターとかおもちゃ屋。魅音が詳しい。 圭一、前はゲーセンに通っていた おもちゃ屋、子供が10人近く出入り。 優勝賞金は5万円のイベント。 圭一の5年分のGNP。 梨花・沙都子登場。 梨花ちゃん早く終わって、大分待っていた。 圭ちゃんが遅くて〜 魅音の頭を撫でる梨花ちゃん。 沙都子をぽかぽか。沙都子泣く。レナ啼く。圭一顔面なでなで。 魅音の友達、圭一に年の近い男ども。 奥に部活の会場。 魅音はこの店のおじさんと仲良しで、客寄せイベントってことでゲーム大会を開かせてもらってる。 『こいつらは敵だッ!!』 本気なのは魅音だけじゃない。 梨花ちゃん愛嬌振りまきパワー。 レナかぁいいもーど。 魅音いつものように振舞うが、冷気が吹き上がるのように殺気が。 賞金の5万円は魅音の自腹。 沙都子緒戦で手合わせ〜ゴゴゴゴ・・・ 間違いなくワナだった。 かつてない・・・最高に熱い部活バトルの火蓋が・・・切って落とされるのだッ!! 魅音開会の挨拶。 参加者は15人、くじで5卓に分けて1人の勝者。そして決勝へ 負けたらゲーム購入。部活メンバーは別に罰ゲーム、勝者が敗者に1個命令。 部活メンバー分かれる。 富田と岡村。 ツイてる! 魅音の開始の合図。 ゲームが決まらないので店長へ。 百億兆者ゲーム 開始5分で魅音勝利。対戦相手再起不能。 レナはカルタ。かぁいい萌えカルタ 沙都子は神経衰弱。 「北条、悪いけど・・・僕も優勝賞金を狙ってるんだ。悪く思うなよぉ!」兄ちゃん ハートのAオシャレなワナ 「相手をしとめるワナはほんのちょっぴり。それも1個で充分ですのよ?」 梨花ちゃんは魚釣りゲーム。古手梨花ファンクラブ親睦会会場。 梨花だから許される大技。 圭一無様、梨花ちゃんなでなで。 「・・・本気の圭ちゃんなら、そのゲームでも開始10秒でケリを付けていたね。」 取引 俺を勝たせろ。 富田沙都子萌え岡村梨花萌え。 沙都子を首輪つきで妹に、猫耳梨花ちゃんに手綱を付けてお散歩。 3分経たずにゲーム終了。 「今日の勝負を、部長、園崎魅音が預からせてもらうよ。勝負方法と日時は未定。・・・ギャラリーは多いほうがいいね。雛見沢も興宮も、全ての人間の目の前で。」 「・・・これ以上ないくらい徹底的な決着をつけてあげるよ。」 俺と戦えーー!! これからバイトー 叔父の店で特売に客が殺到レジが足りない。 卵1パックお一人様1点限り10円。 魅音週刊漫画みたいないい加減なノリ、大好き。 善郎おじさんが駄賃にみんな(魅音除く)に人形。 みんなの視線が圭一の人形に。 レナに渡した。 来世では〜 魅音バイトへ TIPS魅音の叔父さんって? 魅音バイトで部活無し。「〜おじさん抜きでやってもいいけど?〜」 「やめとく。〜」 魅音大笑い。 梨花ちゃん沙都子。 先生が魅音を探している。 魅音のポケットに体育倉庫の鍵。 魅音のバイト、毎日通っているようには見えない。2〜3日連続で行く時もあれば、全然行かない時もある。 「・・・別に、決まったお店にお勤めしているわけではないのです。」 魅音は便利屋。 店を持った叔父さんがいっぱいいて魅音は引っ張り凧。 パン屋、八百屋、ラーメン屋、おもちゃ屋、金融業、不動産業、アパレル産業、アミューズメント産業とか。 リアル百億兆者ゲーム。 圭一梨花沙都子なでなで。 TIPS後悔の日記(原作外) 私は私らしく、今までどおりでいいんだから。 6/13(月) 魅音圭一らは6限授業。沙都子らは5限目まで。 授業が終わると沙都子梨花ちゃん登場。 「レナの優勝、俺が祈ってるぜ。」 レナをわしわし。 表情で考えを読む沙都子。 圭一は考えてる事がすぐ顔に出る。昔から。 シンパシー 小学校の時バスでそんなゲームをやった。 沙都子のために練習。 題目「かき氷」 イチゴ3人、圭一メロン、梨花ちゃん宇治金時。 圭一に提案があるか聞く。罰ゲーム、荷物持ち。一位の荷物をビリが運ぶ。+メイド服 ・・・・・はぁはぁ 題目「夏休み」 夏祭り2人、沙都子花火、梨花ちゃん蚊取り線香、圭一宿題。 「・・・大丈夫ですよ。今年の夏はみんなで過ごしましょうです。・・・圭一を独りぼっちにはしませんですよ。」梨花ちゃんなでなで。 題目「魚」 圭一お寿司、水族館2人、レナくじら、魅音イルカ。 題目「さくら」 クールになれ。。。ここで「さくら餅」なんて〜 レナ梨花さくら餅、魅音沙都子お花見。 梨花ちゃん回り込んでメモを読む。絶句 圭一魔法少女 レナ毎週見てる。沙都子梨花も。 「圭ちゃん。・・・今確信したわ。・・・圭ちゃんは骨の髄まで・・・オヤジなんだよ。矯正不能なくらい。」 下校。 魅音トップ、圭一びり。 更衣室でメイド化。 圭一肌のきめが細かい、化粧ののりがいい。 魅音調子に乗って殴られたり。 レナに捕食される気持ちを味わう。 魅音これまでにないくらい上機嫌。 玄関でオヤジに鉢合わせ。反応遅い。 「・・・圭一。父さんとアトリエでちょっとお話しような。もちろん母さんに内緒でだーーーー!!!」 アトリエへ。 圭一風呂。 母頭痛で晩飯無し。周期的に体調を崩す。珍しい事ではない。自分の晩飯は適当にする。 父と車で駅前のファミレスへ。父推奨。エンジェルモート。 車多し、繁盛している。ナンバー富山、名古屋、千葉、埼玉。 日替わりセット二つ。味は普通。 新米っぽいウェイトレスおたおた。 照れ隠しになると訳のわからない事をまくし立てて煙に巻こうとするのは親父の悪い癖。親父トイレへ。 さっきのウェイトレスさん。先輩のアドバイス。目のやりどころが・・・はぅ〜鼻血が・・・ 目が合う 「・・・・・・魅音、だよな?」 「・・・・・・へ・・・」 「お前・・・、何でこんなとこで働いてるんだよ・・・!!」 「え、あ、あの、・・・お、叔父さんのお店の手伝・・・、」 「・・・ほ〜〜〜。それはご苦労さんなことで。」 圭一の瞳に復讐の炎。一歩後ずさる魅音。 「しかし・・・こうして見ると、結構そーゆう服も似合ってるんじゃねーの〜☆」 「は、恥ずかしいんだからその、・・・あまり見ないでよー・・・」 「魅音って結構、胸があるから今にも見えちゃいそうだよなー。お客さんみんな見てるぞきっと〜!」 「そ、そんな、・・・こと・・・言わないでよー・・・」 「恥ずかしがったふりしてもダメだからな〜!魅音はそういう恥ずかしい衣装で男の目を引いて楽しんでんだろ〜!じゃなきゃそんな格好できないもんな〜!」 「わ、わ、私だってその・・・好きでこんな・・・してるわけじゃ・・・、」 えぇい、うるさいぞ理性!圭一暴走 「はぅ〜〜〜お持ち帰り〜〜〜♪」 「それは嫌ぁぁああぁあ〜・・・!」 やっとで 「違うって、・・・何がだよ。」 「わた、私!」 「・・・・・・魅音じゃないんです!!!」 「魅音じゃないって、・・・じゃあお前は誰だよ。園崎魅音だろ?」 「あの・・・・・・ごめんなさい。言いそびれちゃったんですけど・・・」 「私、園崎詩音なんです。・・・姉が魅音なんですよ。」 どきどきそわそわ。 いじわるは納まる。 お姉も敵の多い人ですから。 圭ちゃんが始めてのお客さん。 「〜このお店の叔父さんの手伝いをするのは初めてで・・・。」 「その制服、魅音なんかには絶対に似合わないと思うけど、〜」 ぽーっとして遠い目真っ赤に 魅音R入る。 楽しげな会話、いつものいじわるな顔。 親父帰ってくる。 スタンプは結構ためてる。 「さっきの新米ウェイトレスさんは〜」 詩音だったと実感。 TIPS詩音って本当にいるの? 沙都子に魅音に兄弟とかいるのかとこっそり聞く。 「・・・う〜ん。・・・どうなんでございましょうねぇ・・・。いるやらいないやら・・・。」 「その反応からすると、・・・会ったことがないみたいだな。」 「えぇお婆さん以外にはありませんですわ。」 梨花が詳しい。 日向ぼっこの梨花ちゃん。 魅ぃには家族や親戚がいっぱい 「〜園崎詩音ってヤツはいるのか?〜」 「・・・詩ぃですか?詩音はいますですよ。」 あまり会ったことはない。何年か前の法事の集まりがあったときに会ったような気がする。 魅音は両親と別居。 魅音登場。 沙都子魅音に聞く。 「・・・い、・・・妹・・・?!」 「え、と・・・・・・、う、うん。いるよ・・・」 赤面うろたえ、圭一を伺う。 「〜ぜひ一度お顔を〜」 「会わない方がいいよ!ぜ、全然可愛くないし!生意気だし!たまに電話で話すくらいで・・・私もしばらく会ってないし・・・!」狼狽。 昨日の詩音は偽者でしたって〜 面白いので放置。 6/14(火) 今日は半日かけての家庭科の授業。 みんなでカレーで営林署の人に食べてもらおう。 力の入ったカレー談義。 カレーに関しては鬼の先生。 毎年インドにカレー旅行。3食カレーライスでたまにの他のものはカレー味。 「カレーなんてジャンクフードの筆頭じゃね〜」 包丁、おたま、フライ返しが・・・ それ以上言ったら埋葬。 料理勝負。 採点は先生と校長と営林署の方5人 沙都子と梨花一緒の班。 魅音は下手なはず・・・ くっくっく デイキャンプ仕込みの圭一。ご飯はおk。 「う〜ん、ひょっとすると・・・沙都子ちゃんは何もお手伝いをしないのが、一番のお手伝いなのかもね☆」 沙都子ひぅッ!!!勝負は勝てば官軍 レナ笑い転げてごめんねごめんね、 レナ完璧。梨花余裕。魅音勝ち誇り。 魅音はお婆ちゃんから色々教えてもらってる。 料理、裁縫、お華、お琴、銃器、無線機、ヘリの操縦。 めんどくさがって普段は料理しない。 圭一場所移す。 冨田岡村を使う。野菜をくれ。 俺が勝てば沙都子梨花のカレーを食わせてやる。もちろん食べかけを。スプーンもつける。 「・・・ふ。違うね。圭ちゃんが剥いたのはジャガイモじゃなく、・・・牙でしょ?」 レナには絶対に勝てない。格が違う。 「うちのお母さんのカレーはね、いっつも具沢山だったんだよ。だから、レナのカレーも具沢山なの・・・本当は一晩かけてじっくり煮たいんだけどね・・・。はぅ。」 少しお力を・・・ ダメだよ〜。 梨花ちゃんはりんご。魅音はハンバーグ。下ごしらえはばっちり。 「おいしいカレーが出来れば先生は何でもOKです☆」 くっくっく 冨田岡村に呼ばれる。 鍋交換。 富田らは日直3回交代の代償。 レナ驚く。いい感じのカレー。 「圭一さん、梨花が呼んでますわよ。行ってあげてでございますわ。」 梨花ちゃん地面に落書き。 カレーさんで遊ぶ。「ご用は終わってるのです。」 ぞくりと悪寒。 沙都子が・・・・! 二段踵落とし。 そよ風でドミノ倒し。圭一見とれて、フライパンで鍋ゴシカーン。 レナのカレーしょっぱい。魅音のご飯しょっぱい。 梨花と沙都子がなでなで。 採点の時間。 低学年から順番に試食。 高学年へ。 レナのカレー。 先生がっかり。お塩を一袋。 校長丸呑みで漢を感じた。 レナ、轟沈。 梨花のカレー。 素朴だけどうまい。 「〜俺、ニンジン嫌いなんだよな。」 「・・・だめですよ恭司。ニンジンを残してはいけません。」 ボロボロ涙でカレーを食う。 「・・・恭司。御代わりありますですよ。」 素朴ではなく、お袋の味 魅音登場。 「貧乏臭さを〜」 完璧に盛り付けられた魅音のカレー。 セット。サラダとハンバーグ。 ハンバーグは手ごね。ドレッシングも自家製の本格派。 100点 圭一の飯ごうからご飯が・・・ 勝負に勝つ方法を・・! 富田、岡村を使って・・・ 魅音の飯ごうをもらう。レナお茶を。 沙都子と梨花ちゃんに一騎打ち。 「俺が百点をもらえたら、・・・沙都子、梨花ちゃん!!お前らのカレーをいただく。飯抜きだっああぁああ!!」 「〜そんなのアカンベ〜でございますわ。」 部長の威厳。 「〜堂々としてなよ。〜」 沙都子むぐぐぐ 「・・・ボクはいいですよ。圭一、ファイト、お〜なのです。」 魅音の優位は揺るがないようだ。 「・・・カレーは失いましたが・・・勝負を失ったわけじゃありません。」 これが俺の料理だぁあああッ! おにぎり。ただの塩にぎり。 レナがお茶。 「・・・・・・圭ちゃんも・・・卑怯な手を使うようになったねぇ。・・・こりゃ・・・辛いなぁ。」 「あ、そうか。・・・レナにもわかったよ。」 沙都子わからん 審査員はカレーに食べ飽きているのだ! これに点数を与えてよいものなのか。 こんなびっくり技じゃダメなのか・・・? 「・・・諦めるな圭ちゃん。」 前原演説。拍手。魅音援護射撃。 鍋をひっくり返して減点20.挫けないでがんばったので20点プラス。 百点。 梨花ちゃんカレーも満点。 レナ以外満点。罰ゲームはなし。 沙都子ら半分は食ってよし。 「がっはっはっは!!さっきの前原くんの話を聞いていたら、噛み締める米の味が一際美味でのぅ!!がっはっはっは!!」 校長みんな食べちゃった。 先生の呼び出し。目がカレー色。 カレーとおにぎりを一緒にするなんて・・・カレー薀蓄。 カレーカレーカレー 圭一ふらふら目がカレー。 空腹感で我に戻る。 下校。 おにぎりは全部校長へ。 意識が遠のく レナの塩カレーを拒否した事を後悔。 圭ちゃんは追い詰められてからが強いねぇ! 前原家、菓子の買い置きはない。カップめんは底を付いている。 魅音バイト 圭一うっかりウェイトレスさんと言う。 魅音ごまかしおもちゃ屋さん。詩音が・・・ 「圭一くん。・・・詩音って誰かな?」 中身は大違い。私はやさしくて思慮深いけど、詩音は冷めてておっかない性格 レナ目をぱちくり 「・・・ふーん・・・。そうなの?レナ会った事ないなぁ・・・。魅ぃちゃん、妹がいるなんて話してくれたこと、あったっけ?」 魅音がんばれ。仲が悪くて〜 レナ納得したようなしないような顔 信じてやってくれでレナ笑顔 お顔みに行きたいなぁ 魅音焦るそして逃げる。 「魅ぃちゃんなんだか可愛かった。何でかな何でかな?くすくす・・・!」 自宅玄関で突っ伏す。 チャイム来客。 来客は詩音。 「お姉に聞きましたよ。〜」 「〜ご飯はおまえに〜」 詩音赤くなる。 お姉のハンバーグの残りの弁当 覗くと凝った綺麗な弁当だった。 「〜タバスコとか〜」 「〜お姉じゃないんですから〜」 可愛らしくむくれて〜 魅音と同一人物なのか疑わしい時 「〜お茶くらいなら〜」 バイトに行く途中だから遠慮 「お弁当箱は適当に水洗いして〜お姉に〜」 「最後に〜(カレーの時)悪ふざけが過ぎるとお姉、ついやり過ぎちゃうんです。〜」 なんとも思っちゃいない、こっちが感謝 魅音ならタバスコやマスタード、下手すりゃ裁縫針(さすがに〜) 部屋に駆け戻り感謝しながら食べる。 最後までおいしかった。 TIPSごちそうさま 魅音に弁当箱を突き出す。 「〜うまかったぜ」 魅音真っ赤に フォロー 魅音ってこんなに嘘の下手くそなやつだったっけ。 かわいらしく見えた。 評価を・・・うまかったぜ ぽーっ 気持ちよさそうに笑う魅音 弁当箱に飴 お袋が〜 魅音陶酔見入る飴玉 「それは詩音に〜」 魅音ちょっぴり残念そうな顔 「今日は魅ぃちゃん、ほんわかな感じだね。〜」 「・・・風邪でもひいたんではありませんの?お顔が赤い〜」 梨花ちゃん沙都子なでなで 「沙都子もきっとそのうち〜」 6/15(水) 体育の時間(4時限目) 教育指導要網がどうのこうの 「圭一さんが何を言ってるのか、難しくてさっぱりですわよ」 テレビの見すぎで眠い 寝れないお!部活! 「レナはそれより・・・今日の罰ゲームは何かな?の方が先だと思うな」 「・・・ごめんなさいです。〜」 魅音回り倒れる。 梨花ちゃん今度の日曜の綿流しの練習。 解散! 圭一理解できない。大会? 綿流しは毎年6月の日曜日に神社で〜 梨花ちゃんが巫女 祭事用の鍬は杵並?! 「放っといてあげなよ。圭ちゃんが来たら梨花ちゃんは可愛くなっちゃうから特訓ができなくなるよ」 「梨花ちゃんは努力とかそういうのを人に見せるのが好きじゃないの。〜」 ふれーふれーこれより瞑想状態に入る。・・・ぐー のんびりとした昼を終え午後の気だるい授業 圭一は見かけよりずっとやさしい。律儀。しつけがいい。 「見かけと逆が真かもしれないよ」 生意気盛りの沙都子もしおらしい? 「最近はあんな感じだけど、ちょっと前までは違ったんだよ。すごい甘えんぼでいっつも・・・〜」 圭一妄☆想 お兄さま〜 泣く沙都子にトラバサミ。トラップの連鎖 具体的にレナに妄想がばれるw 梨花ちゃん漢字ドリル中 梨花ちゃんは可愛らしいだけ・・・?狸だよな。上手くかわすというか。 梨花ちゃんは大人になったら男を振り回す小悪魔に・・・カッコよくない? がさつそうで計算高くずる賢い魅音にも・・・実はいい奴? 「わかるってなにがだよ」 「そんな魅ぃちゃんも、・・・本当はすっごく女の子らしいんだよ」 圭一茶化してレナ口を尖らせる。 みんなのリーダーでも女の子 レナも?ときどき悪ふざけが過ぎるけど、基本的におしとやかで親切で優しい理想的な女の子だ。 レナ「〜うれうれしいかな」 逆なら・・・ はぐらかしで魅音 下校 家のカギをなくした。親はいるから今日はいいけど・・・ 特徴は青いオットセイのキーホルダー付き。 お昼寝しているような・・・ 一昨日エンジェルモートでカギの落し物。 詩音が言ってたよ! レナは父と約束がある。 帰宅後自転車で何となく上機嫌。 浮かれすぎてバイクを蹴っ飛ばす。 ごろつきが・・・ 日本語でおkが大暴れ 膝が笑って視界もノイズ混じり。 殴られて・・・ 「やかましいよクソボケどもが・・・。私の目の黒い内に失せな」 詩音がいた。・・・いや、魅音だった。恐ろしい形相で〜 鷹の目 10人を超える人々の輪 いつの間にか20人くらいの人間 ごろつき焦り 一歩づつ詰め寄る。 大石登場。パトカー2台 詩音しれっとした態度 詩音いけ好かない顔で大石に挨拶。いい雰囲気でない言い方。 魅音って言って真っ赤に否定。 逆に正直怖かった。 瞳に浮かんだ怪訝な色を読み取ってくれたのか店へ一服おごり アイスコーヒーがおごりチケット いつもとは全く違う会話 魅音と詩音をどう差別している? 魅音との出会いがあと5年早かったら〜 ホットケーキも 「お姉じゃないですよね」否定も肯定も出来ない。 「つまりー、そういうことなんですよ。お姉はそのつまり・・・・・。・・・・・・あれ、・・・・・・えへへへへ!すいません、何か自分で言ってて破綻しちゃいました」詩音を通じて何かを伝えようとしている。 雛見沢住人一人の敵は全員の敵 ダムの話。以前魅音に聞いたが、 住民運動、計画の中止、移転の嘆願書を議会に提出。建設大臣に直訴状。元の地権者は用地使用の説明に虚偽があったとして買収の無効を求めて提訴。未買収の土地の細分化で計画の妨害。 土地の強制収用などから機動隊との衝突。詩音殴られた。側頭部が切れて血が出た。 「うちの婆っちゃ、烈火のごとく怒りましてね。〜」 法に訴えるため建設中止の仮処分申請。著名な学者作戦。県知事の罷免の要求、糾弾。民放と連携、機動隊など政府の特番全国放送。署名、デモ、街宣。 まだ話し足りない感じの詩音。 魅音と言い間違ったり、恩返しとか。 自宅でだらだらTV 夜8時詩音から電話。 部活の夜戦却下だぞ。 夏の新デザートコンテスト。デザフェス無料 嘘のつけない圭一で詩音は魅音のような声で笑い転げたり。 TIPS三人組の顛末 大石と熊谷たち ビール 大石帰さない気満々。 6/16(木) 下校 圭一弁当を半分残す。 レナと魅音と、 魅音ハードなバイト レナ、魅ぃちゃん最近浮かれてる嬉しそう。はぅ〜 「魅ぃちゃんね。つい最近ね。・・・すごく傷つけられたの」 「始めはあまり気にしてないふりをしてたけど。・・・怪我と同じ。だんだん腫れてきた。ジンジン腫れてきた」 「・・・とうとう痛みがこらえられなくなって、夜中に目を覚ました。そしてレナに電話してきたの。・・・魅ぃちゃん泣いてた」 何か言った?知らない知らない れなくるくる 手早くエンジェルモートへ 10人以上の人が。チケット1枚で4人まで入店可 ちょっと仕草の違う詩音 チケット7万 詩音が転ばされてオーダーぶちまけ。 フキフキ! 園崎さんは短期バイトだからガードが甘い。 朝から絡まれている 「やかましいぞ重量オーバー!〜」 謎の技で吹き飛ばされる圭一。 粘ついた時間 三回回されて投げられる。 自分の席で寝かされていた。先輩ウェイトレス。 電話を借りる。。。 貴様らは3つ運に見放された。 1つ目は俺が詩音に借りがあるということ。 2つ目は俺が勝つためならプライドだって捨てられる男だということ。 そして3つ目は・・・・・・、 俺たちが史上最強の部活メンバーだと言うことだッ!!! 「圭一が詩音というから詩音なのですよ。」 「で、ボクたちは何をするですか?」 決意。 作戦内容は詩音の護衛と敵勢力の殲滅。現時刻以降、詩音にちょっかいを出そうとする全個人・全勢力を敵と認める。交戦規定はなし。報酬は今食ったデザート。手加減は不要。全責任は俺、前原圭一が取る。 レナ詩音の後をとてとてと 「かぁいい状態、シンクロ率120%・・・。勝ったな」 お持ち帰りは不可! アザとなって刻印が残っている・・・ 敵勢力識別完了 沙都子が厨房に。 一体何を・・・ 「〜私、こう見えても叩く時は徹底的に叩く性分でございますの・・・!」 怪しげな薬ビン 敵だけが正確にお手洗いへ。 故障中に水道が止まってる。 そして女子トイレには梨花ちゃん「みぃ」 お外の〜 途中退店無効 「アイシャルリターン!!」 梨花ちゃん帰還とかとか 飛騨山中にて行方不明男性10人を保護とか たんすの片付けの途中だから、沙都子と梨花ちゃんは帰る。 詩音やってくる 「小っちゃい二人は帰っちゃいましたか?」 詩音レナに戸惑いがち 「中身もそっくりだと思うよ」 傷つけた話。 気付かない圭一にレナ立腹。 怒っているわけじゃないよ。 教えてくれよ。 「だめだよ。こういうのは自分で気付かなきゃ」 「じゃあ、ヒントだけならいいかな」 「詩ぃちゃん、髪の毛を上げて結んだら魅ぃちゃんと見分けつかなくなるんだろうね」 「じゃあさ。魅ぃちゃんが髪をほどいたら、やっぱり詩ぃちゃんと見分けがつかなくなるのかな」 多分な 「もしもだよ?双子の妹なんて話はウソで、あれは妹のフリをしてる魅ぃちゃんだったら、どう思う?」 なぜ? そこを考えて欲しい 同じ女の子としては「圭一くんに自分で気付いて自分で謝りに来て欲しいなって夢を見ちゃうの」 レナ買い物があって帰る 私服詩音登場 夜っぽい。駅裏のほうへ。 自己紹介。初対面はお姉と間違えられた お姉は大雑把で暑苦しい人、私は几帳面だけど涼しい人 魅音は詩音に圭一のこと部活の話とか、やられたとかやり返したとか、 「隠し事が下手なくせに嘘つこうとするんですよねー。だから憎めないんですけど」チョップ ウィンドウショッピングいくつかのお店。 腕を組む、関節技がどーこー 詩音魅音を悪く言う。姉妹として許せないところはある。オトコ女等 おもちゃ屋前最近イギリスから入ってきた人形。 魅音も可愛いとか。 やっと圭一いろいろ気付く。 魅音悔しいのか悲しいのか全然わかんなくて。魅音じゃない私で、もう一回やり直したい。そうしたら、今度はもっと素直になりたい・・・。 「いいよ、魅音。今日までのお礼ってことで、どれでも買ってやるよ」 魅音じゃなくて詩音 助けてもらって・・・ わしわし撫でた。詩音うっすら赤くなった。 ちょっぴり好きになってもいいですか? 魅音登場 手玉に取られる魅音 うぅ・・・・圭ちゃ〜ん TIPSはじめましてじゃないです もうそういうことでいい 葛西の運転する車(ワゴン)の中 雛見沢は本家までの道しか知らない。谷河内へはおk? 葛西積年の苦労 6/17(金) 魅音は平静を取り戻そうとやっきになってる。 レナが付っきりで介護 レナ圭一呼び出す。 「魅ぃちゃん、かなり壊れてたけど、何とか直しておいたから」 斜め45度くらいの角度でえい!えい!って 「昨日までの数日間のこと、なかったことにするから」「だからね!圭一くんもなかったことにしてあげて。それで魅ぃちゃんいつも通りだから」 心の整理が付くまでそっと。 部活無しの下校は一人で。 弁当も一人。 ため息をつくと梨花ちゃんが来てなでなで いっぱいお勉強 「梨花ちゃんはお勉強家だからすごい素敵な大人になれそうだな?」 「もちろんなのですよ。ボクは大人になったらスゴイスゴイなのです」 「あぁら、私も大人になったらすごいレディーになるんですのよ〜?」 お子様 なんですってぇ!タライ わいわい 6/18(土) 部活はなし。梨花ちゃんの練習があるから 出来は上々 下校レナと魅音と 会場は古手神社。以前にお散歩。集会所では老人会のカラオケ習字サークルの会合。公共施設みたいな雰囲気 設営の手伝い 魅音が早く切り替わってやりやすい。 レナも変わって見たい?どんながいい? 「レナはいつまでもレナのまんまでいろ」ありがと! 着替えてタオル持って神社へ 大勢の人が神社に。 校長が話しかけてきて、その誘導でテント建てへ。 魅音には合えず。 トラックにテント2人で持ってくる。 「終わったあとのビールがうまいぞ〜!!」 向こうの社に人だかり巫女梨花ちゃんが練習中。 拝むばあ様とか。 古手神社と梨花ちゃんの関係にやっと気付く。 牧さんと圭一ら軽でどこかに? 魅音とすれ違う。ダンボール。 「ビールがうまいぞー!」 おっさんテントで大盛り上がり。 詩音と麦茶 魅音あーーー麦茶2つ 詩音にいいようにされる魅音。 「詩音嫌い〜。」 富竹光臨。鷹野も一緒。 詩音とも知り合い富竹鷹野、毎年来てるから。 富竹魅音詩音の写真を何枚も。 「並んで見ると壮観だね。」 下着もおそろい☆ 鷹野、魅音詩音の過去を知ってる。「両親が手を焼いていた」 大人の優雅な三四さん。。。 大石登場。 大石に仲の良い不動産屋がいる 詩音が早々に切って大石どこかへ。 魅音大石の後姿を睨む。 富竹「オヤシロさまの崇り・・・か」 魅音が圭一の手を引く。 「今年は誰が死んで、誰が消えるんでしょうね。」と詩音 圭一止まる。 「私、そういう話は吹き込まない主義なの」 魅音一人で酒盛りのテントへ。 崇りを信じるかしら? ダムの武勇伝。神社の集会所が事務所。本陣みたいな。 オヤシロさまは雛見沢に伝わる古い神様、神聖なこの地が俗世に汚される事がないよう、守り続けてきたと伝えられる。 オヤシロさま崇拝は一種の選民思想。下界との交流を忌み嫌っていた。 毎年の崇りの話 詩音圭一が崇りを一蹴したので笑顔。 人間の仕業かもしれない。 大石も雛見沢の人間の仕業と考えている。 魅音は雛見沢の村人が犯人だと思いたくない・・・? 警察は知らない(?)村人が犯人という証拠。1人が死んで、もう1人が消える。 時間をかけて鎮める。 詩音、悟史の事をはっきり「消えました」と言う。 詩音あまり雛見沢を好きではない?詩音と魅音の個性。 「犯人が誰かなんてことには興味ないの」 詩音、誰にも死んで欲しくないし消えて欲しくない・。 酒盛りの締めの声 戻っても魅音はいなかった。 TIPSスクラップ帳よりT <オヤシロさまの祟りについて> 具体的な記述は少ない。伝聞からは、地獄の釜が開く。鬼が溢れ出す。地獄の瘴気が溢れ出し、村人のことごとく逃れる事も叶わず、息絶えるなり。村の全滅の想起。 オヤシロさまの怒り=村の禁忌 TIPSスクラップ帳よりU <生贄の儀式について> 鬼ヶ淵沼に生贄を沈める事で成立。三日三晩かけてゆっくり沈める(鎮める)。 そのためには工夫があったはず。その方法は文献には載っていない。 想像ではイカダの上から縄で吊り下げ少しずつ沈めた。 それらのものは祭具としてどこかに祀られていてもおかしくない。 TIPSスクラップ帳よりV <儀式の祭具について> 古手神社や御三家の蔵に祭具の一部が祀られている。 それらの確認できるものは装飾的なものばかりで、暗部を司った儀式のものはない。 今でもあるはず。どこにあるか九分見当は付いている。 施錠が南京錠に変わったのだ。集会所から遠くない。 もうすぐ綿流し。 TIPSスクラップ帳よりW <綿流しについて> 毎年6月に開かれる村祭り。原点はオヤシロさまへの生贄。周期には謎が多い。 仮説だが綿流しの儀は、閉鎖環境である鬼ヶ淵村に何らかの不満が募った場合のはけ口や、目をそらすための目的で開かれた政治的なイベント。 TIPSスクラップ帳よりX <なぜ祭具はこれほどまでに必要なのか> 祭具の具体的な形状についての記述はほとんど見つからない。一部の文献では200を数える。何故多種多様なものが必要だったのか。娯楽の道具は際限なく多様化する。 仮説だが生贄をささげる過程が一種の娯楽(見世物)として扱われていた。 あの祭具殿の中に、それらがすべて祀られているのは間違いない。綿流しの夜まであと少し。 TIPSいよいよお祭り 警察 ビールがうまい 大石が来る。 一緒に入ってきた課長よりも存在感貫禄は上。 必ず事件は起こると考えて。 うおぉおおおっす!! 6/19(日) 夕方 レナとおはよう 魅音とごめんな 全身筋肉痛 梨花ちゃん沙都子は神社で合流 神社に近付くにつれ、人通りが多くなり、たくさんの停めてある車。盆踊りの曲 境内。公由分家の爺さん、去年の綿流しからずっと体調を崩していた。 沙都子発見 梨花ちゃんは村長たちと話。 「実に大変なのですよ。」 梨花ちゃん登場。お持ち帰り〜 婆っちゃから安全ピン 梨花ちゃんラジオ体操で鼻血吹いたり、写真撮りたいとか言ったり。 「・・・地下室とかに閉じ込められるかもしれないのです」 あっはっはっは 豚肉焼きソバイカリング付き!圭一解説えっへん! たこ焼き沙都子挑戦!たこが入ってない。 レナ挑戦、魅音、梨花ちゃん惨敗 圭一一肌脱ぐ!愛してるのどうのこうの明石だからなんとか あんずあめレナがリベンジ お好み焼き沙都子がリベンジ 金魚すくい魅音が「実においしそう!」ざわっ・・・ 湧く詩音。焼きソバの時からずっと。 圭一詩音の胸と鼻血。梨花ちゃんも腕に。そしてレナぱん 「よくやったレナ」魅音 詩音なんだかんだで一時退却。 「二度と来るなーー!!!塩撒け〜」 詩ぃちゃんと一緒だと魅ぃちゃんはかぁいいね 途中からは金を使わなくても良くなったり、で、大太鼓の音 ファイト、おー! 沙都子わしわし 魅音たちとはぐれる圭一、前のほうに魅音の頭、うろちょろ もう一度大太鼓。演舞の始まり。梨花ちゃんと村長たち(神官) 梨花ちゃん祝詞、鍬持って布団へ 詩音登場、ついていく圭一、人垣をぐるっと大回り。人の輪を外れ、境内の裏に 梨花ちゃん関係ないお 富竹と鷹野、盗み見。(〜こういうのは二度とお目にかかれませんよ?)こういうところは嫌にそっくり。 圭一騒いで見つかる。 観念して詩音「お月様の綺麗ないい夜ですね」「〜月の綺麗な夜ね」 開かずの祭具殿、富竹南京錠いじってた。 古手家以外の人間が入ると『不浄』を持ち込むといわれる不可侵領域・・・。聖域。知的好奇心の様々な興味。 富竹鍵をとって詩音が入ろう!圭一ごねる。詩音、園崎の人間だから中にあるものの想像はつく。 「〜圭ちゃんにも見てもらいたいものです」 富竹も見てきてごらん。 ちょっとだけで圭一も。 狭い前室。電池式のランタンを灯す。富竹門番扉を閉じる。 頑丈そうで厳かな扉。前室は祭具殿の中が外に見えないようにする工夫。 圭一がブレーカー触って明かり付いて詩音にバシン。鷹野は大人の余裕。 誇りだけでは無い嫌な空気。広い内部、正面一番奥には仏像のようなご神体・・・オヤシロさま。社にあるのよりずっと立派。 祭具の手入れはあまりされていない状態。 圭一よくわからない、鷹野はペーパーバッグの中からスクラップ帳を取り出して説明。 まずは昔話。鬼が溢れてオヤシロさまが降臨して共存。 江戸時代に加筆され、長い話になっている。 鬼と人の混血は進んだ。・・・詩音面白そうな顔 圭一漂流異人説とか、鷹野は夢のあるほうを信じたい。 「いよいよここからよ。面白くなるのは」鷹野が一旦区切る その時詩音が何かを気にしたように辺りを見渡す。 人食い鬼とか血なまぐさく、周期的に鬼の血が目覚める。鬼隠し。 オヤシロ様了承の行為。 生贄をさらってきた夜に綿流しの儀式が開かれた。 綿=ワタ=臓物(腸) 「嘘だッ!!」痺れのような圧迫、目の前のものの色が灰色に反転して、ぐるぐると渦巻き揺れて見えた。 梨花ちゃんの奉納演舞。 圭一叫ぶ寸前で詩音の静止。 歩き回る。詩音がシャツの裾を。檻とか。 人って上手にやると結構殺さずに済む。鷹野は看護士だから人の生き死にに詳しい。 鷹野は今も綿流しが今も行われていると考えている。詩音は理解があるから話す。スクラップを取り出す びっしり細かい文字、文献のコピー細かい文字でびっしり書き込みいっけんではわからない。 「明治の終わりごろに鬼ヶ淵村で身元不明の惨殺死体が発見されたんですって」新聞コピー。 警察の資料がほとんど残っていない。口伝と記憶。文献に新聞の切り抜き。 『…カクモ無惨且ツ残虐非道ヲ尽クサレタ遺体ハ嘗テ無ク/鬼ノ仕業カ…』 身元不明。 想像力が貧困な事に感謝、ただ、すぐには殺されなかったとは思う。 「筆者はね、鬼ヶ淵村の恐ろしい習慣は明治以降の近代。・・・ひょっとすると昭和初期くらい前残っていたんじゃないかと結ぶ」 「たった100年前よ、」昭和に入ってからも終戦直後の缶詰疑惑。 詩音に気遣う鷹野詩音一瞬不機嫌そうで「何て言いました?缶詰疑惑って…、」 ギィイィで富竹、富竹は生来(せいらい)こういうのは苦手。 演舞とセレモニーの終了。みんな沢の方へ、あと何分かでお祭り終わり。 鷹野撮影へ、ペーパーバッグからカメラ。圭一、詩音は外へ。 どうだった?圭一青白い、あっはっはっはっは 鷹野壊したりちょろまかしたり 「本当に何も壊したりしなかったかな?何だかドタンバタンと飛び跳ねるような音がよく聞こえたからね。僕は不安で不安で…」 鷹野フィルム切れ、富竹も予備は無い。 忘れ物が無いか確かめ施錠。 仮説が現実に、これからの調べ方が変わってくる。 石段を降りて沢が見える。「お二人の邪魔なんてできません」で富竹らと分かれる。 詩音は人込みはパスで行かない感じ。 「お姉ってすっごく嫉妬深いんです。私が圭ちゃんを独占していたことがバレると、いろいろうるさいんで、今夜のことは秘密にしておいて下さいね」 オヤシロさまの崇り最有力候補。 詩音と魅音「仲、いいですよ」といいながらも・・・な表情 「でも本当に。…あの音はなんだったんでしょうね。不愉快というか、気味が悪いというか」 「え?何の音だって?」 「………音ですよ」 「ドタンバタンって。…うるさかったじゃないですか?」 最初から説明 「……圭ちゃん、あれ。…気にならなかったんですか?」 圭一わからない。 本当の本当に… 「ドタンバタンって。何だかどこか遠くの板の間で子供が跳ねているような。」 「そんな音いつ聞こえた?〜」 本気? 真顔で詰め寄る詩音。 「さっき、祭具殿の中で鷹野さんと一緒に見回ってる最中。…鷹野さんが昔話を始めた頃からかな?すこしずつ。だんだんと。ちょくちょくと…」 「〜鷹野さんの怖い話に合わせて音を立ててるようで、私ずっと薄気味悪かったんですから」 圭ちゃんも鷹野さんも意に介していない風、何度かはすごく大きな音。 「あ、…あははははははははは」 引っかかりましたね、ウ・ソ、バシンバシンで逃げるように去っていった。 富竹も言ってた。。。 びくびく「圭一、みーつけたー、なのです」で背中から。 「はーー、やっと見つけた。あとは沙都子かー」 「今年はみんなはぐれちゃったね。来年からは〜」 圭一後ろめたい 「…圭一はボクの演舞はちゃんと応援してくれましたですか?」 「あ、あぁ!ちゃんと見てたぜ!!最後までちゃんと頑張ったな。ミスも無かったし」 「・・・・・・・」 「…うん。そうだよ梨花ちゃん。あんなのはミスの内に入らないよ〜」 魅音が乱暴に肩を叩いて汗噴出。 「圭ちゃんはやった?ワタをもらって、沢に流した?」 「あれ?そうなの圭一くん!早く行かないと終わっちゃうよ。終わっちゃうよ」 ルールが・・・。そうだったね 魅音は手をとって石段を降り始める。 「…ねぇ圭ちゃん」 「なんだよ…」 「詩音には会わなかった?」 圭一ごまかしごまかし汗 「…しょーがないなぁ、詩音は!まぁあいつのことだから、放っておいても大丈夫かな」 TIPS後夜祭 深夜の署内、息の詰まるような時間。熊谷と若いのが飛び込んできた。 「大石さん、こっちは検死入りました!じい様もさっき到着です!!〜焼死の現場に直行します」 「熊ちゃん、ちょっと話がややこしくなりました。向こうは身元の判別が非常に困難な状態だそうです」 「まさか、4年前のアレっすか…?!」 「いぃえぇ」「こんがりといい感じだそうで」 所持品ゼロでこんがり。しかも県外に捨てるとは 「今、小宮山くんたちが興宮の歯科医をねこそぎ夜襲してます。カルテで歯形照合するしかないでしょ。」きつめのタバコ2箱かってきて 「今年は見事見つけましたね。過去の失踪者も〜」 「なら埋めればいいじゃないですか。重りをつけて日本海でも琵琶湖でもいいですねぇ」 見せしめ。市内でやっていれば見せしめでFAなのに。演出効果の少ない遠方 電話、小宮山から興宮のデンタルクリニックで3年前に親知らず抜き。 カルテはレントゲンつき。すぐに小宮山に届けさせるように。 課長来てのんびり 6/20(月) 母が食事の支度。 寝つきが悪かった12時には寝たつもり。 たくあんばりばり。 詩音に聞かされた話のせいで眠れなかった。 登校、レナと 目が真っ赤な圭一寝不足、レナも寝れなかった。 思い出す、鷹野の話、圭一考え事に没頭。 魅音遅刻、この時間に来なければ先に行っても良いことになってる。 もう5分まってみよう。 レナ満面の笑みで頷く。 息を切らせて走ってくる魅音。真っ赤な顔で荒く息をつく。 レナが手を当てて熱があるよ? 圭一「本当に大丈夫かよ。…あんまり無理するなよ?」 「あれ?圭ちゃん、気遣ってくれるの?あはは…うれしいなぁ」いつもの魅音らしくない返答だ。…こりゃ重症だな。 風邪薬も飲んだし大丈夫。 時間やばい、スリリングな朝で走ろう。 退屈な授業眠い。シャーペン逆さに持つ。消しゴムのようなもの6つ頭に沙都子ぉ!私じゃない、ん?チョーク?へ?知恵先生こええ。 顔を洗って来なさい。 同じ顔を洗うなら暗い給湯室の流しより、表のがいい。昇降口から外へ。 じょぼじょぼとぬるい水。 魅音来て「やっぱ圭ちゃんはこっちの流しを選んだか。〜」 さぼるなよな〜。水は冷たくなっていた。 バシャバシャ流しを譲って、魅音もバシャバシャ 眠いのは薬の副作用なんだろ? 親族の宴会に巻き込まれたエンドレスで。 徹夜明け、体調悪い。頭ガンガンで早退。よく見ればかばん持ってた。 「〜部活、できなくて申し訳ないね。今日は圭ちゃんがリーダーってことでやってくれない?」 暗黙の了解がある。バイトのときは〜 気なんか使わなくて良いのにと苦笑い。 圭一じゃあなで魅音呼び止め。 「昨日の綿流しの晩さ。…富竹さんと鷹野さんに会わなかった?」 ぎくり、 富竹さんと鷹野さんはわかるよね?即答できず、魅音の目をじっと見る 「…さ、…さぁ…どうかな。…会ったような会わなかったような…」 魅音不快で 「詩音に会わなかった?」 「…それ、昨日も聞いたよな?〜」 「ん、そうだっけ?…また改めて聴いたら、違う答えが返ってくるかなって思ってさ」 魅音の目が鷹の目に。 「悪く言ってる人達がいるの。…何が悪いかはよく聞いてないんだけどね」 みんなって誰だよ? 魅音去る 先生後ろからこぉら 「…圭一、今日はずーっと元気がないのです」 「昨日、大はしゃぎしすぎたからに違いありませんわー!」 「迷子になって目を真っ赤にさせて半泣きしてたやつに言われたくねー」 気付けばいつの間にか家の前。圭一くんも風邪かな?馬鹿は風邪引かないレナと別れる。 母図書館に本を返してきてほしい。父も母も電話待ちで動けない。 返却期限も今日まで。 図書館が何処にあるかわからない。 電話が鳴る。顔が険しく、母電話をひったくる。電話は圭一に、詩音だった。 なんだかんだで駅に集合。圭一は詩音が興宮に住んでる事を知らない。 長編推理小説6冊。まずは着替えと自転車の鍵だ! 詩音もふらふら。お前も昨晩寝てないだろ。 「私はそもそもズル休みしてますので。私、おねえより要領いいですから」 先に用事を、図書館へ。鹿骨市立図書館。なかなか大きい一階はお役所。自動ドア。受験集団はいない。圭一はかつてそんな連中の一人だった。 詩音本棚を行ったりきたり、図書館にはあまり来ないタイプなのか。 ひと気のない休憩コーナーへ。園崎の家の事を話す。 親族全体で助け合う性質がある。金融不動産は強い商工会議所の何割かが園崎興宮一体を票田に市議会議員と県議会議員。 んっふっふっふ!太ったおっさん大石。二股だとかなんだとか、 目が泳いで詩音バイト。今夜電話します。 大石にこにこと手を振る。アイスティーをおごってくだらない話を。 園崎がどうこうの話、暴力団とか。魅音が次ぐのは園崎家そのもの。 魅音を貶すような言い方は許せない。 魅音にいくつかの事件の嫌疑がかかっていたら? 「何かの誤解に決まってるじゃないですか!〜」 くどくどくどくど。 圭一に大石は用があった。 職務質問?偶然知り合ったオジサンとの世間話ということに。 瞳のおくには鷹のような鋭さ。 綿流しは楽しかったですねぇ。 「昨日の綿流しの晩…富竹ジロウさんと鷹野三四さんにお会いしませんでしたか?」 ぎくり大石写真2枚取り出す。 「…さ、…さぁ…どうでしょう…あったような会わなかったような…」 不快に思っているのが良くわかった。 もう一度聞きますよ。「〜富竹ジロウさんと鷹野三四さんにお会いしませんでしたか?」凄みのある、怖い。 改めて聞けば…リラックスリラックス。 「同じく昨夜のお祭りなんですが、園崎詩音さんとにお会いしませんでしたか?」振るえる両手氷からから。 氷ガリガリ、魅音もそっくりだから魅音と見間違えてるかも。 そんなわけないでしょう。服装が違う。 口調は厳しい。 熊谷現れる。閉館を告げる。蛍の光。 大石帰る。と思わせて、ぐるり 「参考までに。…あなた、昨夜、全員にお会いしてますよ。4人で楽しそうに歩いてたじゃないですか。…石段のところで。私がこの目で見てますから」 「ではまたお会いしましょう。よいお年を」 TIPSスクラップ帳よりY <綿流しの意義について> 生贄を狩り、それを饗す宴、綿流し。娯楽性を伴うものと考えられてきた。 異常な行為に娯楽性を感じるという『無理』によって、自分たちが人間を超越したと考えようとしていたのかも。 だが、口伝の文献を見つけた。それは住民もこの儀式を恐れていた。 ならば、有力者達が自分たちの決めた戒律を遵守させるための見せしめだった可能性。 有力なのは御三家。 TIPSスクラップ帳よりZ <御三家について> 御三家とは鬼ヶ淵村を実効支配してきた3つの旧家。公由家、古手家、園崎家。今日でも強い影響力。 <公由家> 公由家は御三家の筆頭家として大きな力を持っていたが今はそうではない。 村長は公由家のものが選ばれ、今でも、対抗馬がいないためそうなっている。 <古手家> オヤシロさまを祀る唯一の神社を守ってきた一族。 戦争で分家筋がほとんど絶え、今では本家のみ。その本家も一人娘古手梨花を残すのみ。古手家の女子を尊ぶ習慣で年寄りに崇められる。 <園崎家> 戒律を守るための警察官的な役割を担っていた。 御三家の中では比較的弱い立場だった。しかし今や雛見沢を牛耳っているとまで言える。御三家で合議することが名残となっているだけで、村内の取り決めは事実上、お魎ひとりで決めているといっていい。 自宅への帰り道。寂しげな夕方。自分が思う以上に長い時間の経過。 圭一戸惑い。魅音は知っている、警察まで知ろうとしていた。きちんと謝ったら許してもらえるのだろうか。 夕飯はあまり箸が進まない。自室へ。 詩音から電話。 大石に絡まれたのは自分が逃げ出さなかったからだ。人のせいにするのはやめよう。 「〜知っていますか?」「実は昨日の綿流しのお祭りの晩なんですけど、」「石段の辺りで私たち、みんな別れましたよね?鷹野さんたちは沢に言って、圭ちゃんはその場に残って。私は親類の人たちのところに〜」「昨夜、富竹さんと〜・・・だろ?」 No、親類が、魅音たちが証明してくれる。 「昨夜、鷹野さんと富竹さんが死んだんだそうです」「鷹野さんは焼死体で富竹さんは自殺みたいな感じで。・・・今朝知ったんです。お父さんが親類の人からの電話で話してるのを聞いて・・・」 お祭りの警備を終えた警察車両が倒れている富竹を発見。死因は喉を掻き毟っての自殺。 大声出してる圭一。子機に持ち替え2階へ。 鷹野さんは隣の県の山中で火が上がっているのを付近のサービスエリアの職員が見つけ通報。駆けつけた消防員が発見。検死の結果半裸女性の焼死体と判明。興宮署からの依頼の歯形照合の結果、鷹野三四と確認。死因はまだ特定されて無い。下着姿で周囲に衣類が無いことから他殺の可能性が濃厚。 「灯油缶が転がっていたそうなので、焼身自殺の線もあるそうです」 自殺のわけない。自殺だなんて考えられない。 オヤシロさまの崇り ちょっとした冒険のつもりだったはず。 死体が二つ見つかったことはおかしい。 「〜多分、2人が失踪するのは。・・・これからじゃないかと思うんです・・・」 テレビなんかで〜 「〜綿流しの夜に誰が死んでも、公にはならない、ということです」 毎年の事件は個別に解決しているから連続事件という形にならない。 唇がいつの間にか乾き喋るのが辛い。圭一逆ギレ 心の奥底の冷めた自分が、無駄な遠吠えだと呆れているのがわかった。でも、堰を切った感情はもう止められなかった。 突然電話が切れる。無責任な発言への後悔。 受話器を戻し電話を待つ。 公由と名乗る女の子からの電話。「〜ウチのおじーちゃんがお邪魔してませんでしょうか」 その晩再び電話がなることはなかった。 TIPS深夜の電話 公由からの電話いろんな人に村長の所在を確かめる。 魅音から公由へ電話、いろいろかけて駄目だった事を報告。 お魎の判断で青年団を召集。それでも駄目なら明朝に警察に通報。 いたくない腹を探られない方がよいため。 6/21(火) 眠れるわけなかった。詩音が唯一の仲間だと気付いたから。子機を布団に。 普段はしない洗顔をする。歯まで磨いてやっと頭が起きる。お袋は圭一の奇行に驚く。 「圭一くん、何だか今日も調子悪そう。・・・やっぱり風邪かな?」寝不足、寝ぼけたらフォローよろしく。 魅音も寝不足、寝たのは3時。村長さんのこと?うん。 沙都子、「聞きました?何だか大変なことになりましたわね」 ボケて徘徊してるだけじゃ?「〜お習字も教えるし剣道も教える、はつらつな方でございますの」 そんなこんなで先生来る。村長失踪について話し、情報提供を呼びかける。いつも通りの授業。 噂話は昼休みにもあちらこちらに花咲かす。ほとんど村長がらみ。それらを統合すると、昨日の夕方村長は会合で神社の集会所へ、日が落ちた頃に会合を終えお開きに、村長の家は雛見沢の外れ、時間も遅いし外灯の少ない雛見沢では村長の帰る姿を見たものはいない。 クラスメートは「崇り」が起きていないから、「生贄」は必要ないと囁きあう。 (だれ?)「そういえば、悟史さんがいなくなったのも、・・・去年の今頃だったね」(富田?)「・・・悟史さんの時も確か、こんな風に村中で探したんじゃなかったっけ」(?)「あれも見つからなかったんだよねー。あれって、・・・結局どうなったんだっけ。・・・確か、鬼隠しじゃなかったんだよね?」(?)「うん。貯金を全部下ろして、家出しちゃったんだって聞いたよ。警察の人が、名古屋駅で新幹線に乗るところを見た人がいるとか言ってたもん」 村長は失踪する理由が無い。 レナの弁当が丸々残っていた、が、それはレナの弁当がおいしくないからでは無い。 沙都子、レナのかぼちゃのコロッケも食べてしまう。沙都子強がったり泣いたり。その心遣いに心を打たれてぐしゃぐしゃと撫でる。大袈裟にぼろぼろと涙。 圭一の弁当は昨夜のおでんの残り。大根がうまい。 ようやくいつもの食卓。しかし教室全体は薄暗い雰囲気。 魅音お手洗いで全然帰ってこない。レナ、たぶんどっかでお昼寝してるんだと思う。昨夜は・・・ 今日は駄目な日だ。 村長は魅音の事をすごく可愛がってくれたって話してた。犠牲者に縁のあるものだったら、何倍もショックだろう。 沙都子も察してか、下唇を噛むようにして俯いた。 梨花ちゃんも仲良くお昼寝か?「梨花はそんなに遅くまではお付き合いしませんでしたわ。・・・梨花があくびをしたら、皆さんみんなして、お休みなさいませお休みなさいませーって」 梨花ちゃんってアイドル。理想の孫娘像? レナ、あははは、はう〜あくび。大あくびでしてよ。梨花ちゃんの大あくびはう〜〜お持ち帰り〜 レナは貴重なやつ、ようやく心の底から笑えた。 今日圭一は日直。花壇の水やりに行かないと。花壇は職員室の正面にあるからやらないとばれる。 沙都子レナ大暴れ。教室に笑い声。 そろりそろりと教室を抜け出す。ジョーロは給湯室脇に干してある。花壇は元々はなく間借りする時にお礼で作ったものらしい。花壇は長い、あちこちにある。ジョーロの水を5〜6回補給しなくてはならない。一緒の日直の子は梨花ちゃんより一回り小さい最下級生の女の子、やらせるわけにはいかないよな。 営林署のおじさんに倉庫裏のカレー菜園がくたびれているので水をやるよう言われる。 セミの大合唱、教室ではレナと沙都子の大乱闘。これでいいんだ。俺の筆箱粉砕。 最後にカレー菜園。いつも湿気があり、あまり好まれない場所。 梨花ちゃんがいた。生気を感じさせず、人形のようにボーっと。圭一の出現に気がつかない。目元が真っ赤になり涙と土汚れ。髪にも草が、衣服も転んだかのように。 努めて明るそうに怪我を否定。圭一に聞きたいことがあるのです。胴にしがみつく、質問から逃さないために。 上目遣いにじっと瞳を覗き込む。「圭一。お祭りの晩に、何か悪いことをしましたか?」悪寒ぞくぞく「圭一。本当に覚えはありませんか?」 あの晩の出来事は誰にも知られていないどころか、誰もが知っている?!知られているのは明白、鷹野富竹が死んだから。 圭一ごまかしはぐらかし。 しばらくして梨花ちゃんは解放し、ごめんなさいなのです。ニッコリ。 梨花ちゃんに呼びかけ。でも、何もいえない。 梨花ちゃんなでなで。境内の裏を少しいったところにある大きな倉庫、祭具殿といいますです。 「お祭りの晩、その祭具殿に、猫さんが入り込んだそうです」「はい。猫さんです。にゃーにゃーなのです」怖がらせない言葉。「猫さんは、前から祭具殿の中を探検してみたいと思っていました。・・・でも、ボクが意地悪をして、中を見せてあげなかったのです。」「なので、祭りの夜。猫さんは我慢できなくなって、中に入ってみましたのです」猫。鷹野さんを指して、それとも俺?「実は中には、・・・猫さんが怖がるものがたくさんあったのです」「猫さんはびっくり仰天。・・・一目散に逃げ出して、がたがたぶるぶる、にゃーにゃーで大変なのです」「その猫が誰だってんだ?」「猫さんは猫さんです。にゃーにゃー」その猫さんはこれからどうしたらいい?「猫さんは猫さんですから、にゃーにゃー鳴いているだけで大丈夫ですよ」「鳴いてるだけじゃだめなんだ。・・・猫さんが悪戯心で忍び込んだのを犬さんが見ていたんだよ」「犬さん」「そうだ。・・・犬さんなんだ。・・・猫さんのところへ代わる代わるやってきて、・・・忍び込んだだろうって問いただしてくるんだ」梨花ちゃんはそこで初めて表情を曇らせた。「大丈夫ですよ。猫さんはボクが守ってあげます」「猫さんは、とても怖がっていますが、・・・本当はそんなに大変なことでは無いのです。何匹かの犬さんが、きっと勘違いしてるだけなのだと思います」「猫さんの心配し過ぎなのです。ボクがきっと、何とかしてあげますですよ」「ちょっと大変ですけど、頑張りますですよ」「ファイト、おーなのです」「ボクが頑張らないと、犬さんも大変なことになってしまうかもしれないのです」もう一度撫でてにっこり。「猫さんは臆病過ぎです。・・・だから見せたくなかったのです」 「富竹と鷹野ですか?」「忘れると良いのです」「はい。あの2人の事を思い出すことは、圭一にとって良くないことなのです。・・・考えれば考えるほど、怖くなるだけです。だから早く忘れたほうがいいのです」「どこで聞いたかわかりませんが、綺麗さっぱり、お風呂でゴシゴシするみたいに、忘れちゃうと良いのですよ」「どんな死に方をしても、それは圭一とは関係のないことなのです」詩音は?「姉妹猫の妹ですか?にゃーにゃー」少しの思案「姉猫は怒ってます。妹猫が悪いことをしたので、とても怒ってます」「圭一。・・・姉猫はとても機嫌が悪いです。・・・しばらくの間、そっとしてあげてほしいなのです」 「今日から部活はなしにしましょう」そっとしてあげて欲しいから。 全部任せよう。。。 チャイム「勘違いの犬さんが、猫さんに噛み付こうとしたら、知らせて下さいね」 村長を噛んだ犬さん。噛むならいたずら猫さんを先に噛むはず。 ごめんなさいなのです。 魅音の振る舞いは昨日を忘れるなら、普段と変わらないように見えた。 TIPSスクラップ帳より[ <現代の御三家について> 今日、御三家は形骸化し、園崎家の独裁となっている。鬼ヶ淵の伝統を色濃く受け継いでいるのは園崎家だけである。確認されている最も新しい綿流しだと思われる明治末期の事件も園崎家主導と考えられる。(明治末期の御三家の家系図) ダム闘争でも反対同盟の会長には公由家がついたが影のリーダーには園崎家。公に公由、公に出来ない運動は園崎家と囁かれる。ダム騒動中の不穏な事件(建設省幹部の息子誘拐事件)も園崎家がと。連続怪死事件も囁かれる。 連続怪死事件こそ綿流しの再来。村人達に鬼ヶ淵村の戒律を思い出させようとしているに違いない。 古手の祭具殿を暴いた後には園崎家に研究対象を絞ろうと思う。園崎家の警備は厳重だが、姉妹とは面識がある。突破口に。 食後はテレビを見る気力もなく布団へ。梨花ちゃんに話してよかったのだろうか。鷹野らの死についても当事者のようだった。 親父が部屋へ、驚く。子機を電話は詩音から。 まず謝る。受話器からはため息のようなもの。後悔したなら許す。「〜もう謝るのはやめてください。」私たちは運命共同体。情報を共有する必要がある。昨日の続き。祭具殿に忍び込んだことは思った以上にタブーだったみたい。あんな殺され方をする理由になるなんて信じたくない。お互いに気付いたことを報告しあいましょう。 「最近誰かに監視されているような気がします」「〜俺のほうは大丈夫だ。」と思うが根拠は無い。 お姉の様子は?「先日、私、お姉に、綿流しの夜の所在について問い質されました」俺も一昨日魅音に。魅音に変わった様子は無い、一昨日以外は。 大石に同じことを聞かれた。大石は知ってたみたいだ。警察にしてみれば当然だろう。最後にあっていた人だから。警察を味方につければどうか?大石は村ぐるみの犯行と考えている。 ダムの話。「〜戦いの歴史についてはお姉から聞いてますよね?」デモとか「実際はもっともっと過激なこともたくさん行われたんです。園崎本家が〜」タンクに砂糖、フランスのゲリラ。誘拐、高津戸の山中で保護。バラバラ事件。「〜誘拐なんかの特にヤバイ話は、当主の婆っちゃを含め、ほんの数人しか知らされて無いと思います。園崎家は秘密主義ですから」年少ながら違法な抵抗運動の中心として活躍していたのがお姉。注意してください。 「で、大石の件ですが。・・・圭ちゃんがいいと判断するなら、必要な情報を与えてもいいと思います。〜」大石にはあまり関わりたくない。私も園崎家だから。警察の捜査力は欲しい。 他に何か?ないのですか?公由のおじいちゃんについては?またお父さんの電話から盗み聞いた。感情を剥き出しにした大声で怒鳴りつけられる。「私、公由のおじいちゃんに打ち明けたんです」心安い人。小さい頃から本当に可愛がってくれて。 本当に悲しそうな、辛そうな声。私、いっつも意地悪なことをしてたのに・・・いつもにこにこと笑って・・・。村長さんに、私、あの晩打ち明けたんです。「〜そして、にっこり笑って、詩音ちゃんがちゃんと反省してるなら、鬼隠しになんかなるものか、・・・って。・・・本当に・・・笑いながら・・・任せなさい・・・って・・・・・・。〜」打ち明けたから殺されてしまった。親しい人から順々に殺していって〜 影に凍てつくような・・・「・・・り、・・・・・・梨花ちゃんッ!!梨花ちゃんだッ!!!!」 第六感的な本能が、ガンガンと警告を鳴らす。 詩音の電話を切る。 TIPS4人だけの罪に終わらない? おでん屋。この店で食べるとなぜか年契のガソリンスタンドの領収書に化ける。男は赤ら顔で駅前のネオン街に消える。村長を殺す動機についての情報。 大石と熊谷。情報封鎖しているのに雛見沢中に出回る富竹鷹野の死。祭具殿に踏み入ったからという噂。噂によれば踏み入った人間はまだ2人詩音と圭一。 だが、施錠を簡単にしてしまったために賊の進入を許してしまったのではないか、という噂。 ずいぶん前に何かの用で見た、おっかないくらいの厳重な施錠大金庫のようだった。梨花が・・・村長に相談し・・・ 古手梨花もヤバイ、雛見沢を巡回する覆面車に連絡。古手神社近辺に張り付かせる。 学校の連絡網から梨花ちゃんの電話番号を探す。5桁の番号。 母親が電話をかけようとする圭一を注意。 時間は午後11時前。30分くらい待ってかけ直してみよう。そう思ってる間にも何度も電話をかけた。30分くらいかけ続けた。 行ってみるほうが早い。場所わからない。聞けばいい、レナに電話。 不機嫌そうなおっさんの声。風呂に入ってる、あ、出たかな? 古手神社の境内に集会所、その裏手の2階建ての倉庫小屋に住んでる。 「それより、どうして梨花ちゃんの家を聞くのかな?」普段見せない鋭さ。言葉の裏に非常時を敏感に察した緊迫感。 虫の知らせ?確信は無いけど・・・「ヘンなこと聞いてごめんね。考えたら、確信なんか必要なかった」「友達のことが心配になって。それを確かめるのに理由なんかいらないと思う」「・・・仮に、梨花ちゃんが寝てて、それを起こしてしまったとしても、それが理由なら私たちは誰も怒らないと思うよ」 沙都子が梨花ちゃんと住んでいることを知らない。 圭一くんの家に迎えに行くから。ご両親に、私と一緒に梨花ちゃんの家に行って来るって伝えておいてね!魅ぃちゃんには電話した? 合流場所へそして両親に無言で出かける。 レナ猛スピードで、「・・・圭一くん。私、お家で待っててって言ったはずだよ」「ここで合流した方が早く出発できると思ってさ・・・」「・・・圭一くんは・・・本当にわかってるのッ?!」レナ怒る。「圭一くん。・・・昨日、村長さんがいなくなって村中で大騒ぎになったよね?」「そんな中で、圭一くんは梨花ちゃんと沙都子ちゃんがいなくなった、って言ってるんだよ」「じゃあもっと用心しなくちゃ駄目だよッ!!!こんな夜中に、たった1人でこんなところに突っ立ってるなんて無用心にも程があるんだから!!」「ご家族には、ちゃんと私と梨花ちゃんの家に行くって伝えたよね?・・・万が一。・・・私と圭一くんが揃って失踪しちゃうようなことがあっても、・・・いつ、どの辺でいなくなったのかを残すことができる」冴え渡るくらいに冷静。自宅にとんぼ返り。 魅音に合流「・・・圭ちゃん、本気で言ってんの?もし冗談だったら、かなり怒るよ?」「魅ぃちゃん。本当に冗談だったら、怒るんじゃなく、笑おうよ。だって、冗談なんだから」 なぜ梨花ちゃんに電話?と魅音。「虫が知らせた、・・・じゃおかしいか?」とても曖昧な表情の魅音。あの日の魅音さえなければ信じれるが・・・ 魅音が古手家の事について話し始める。「・・・・・・・・・うん。ない。おかしいよ」レナが2人の自転車がいつもの場所に無いことに気付く。 2階建てのプレハブ小屋 レナが2階へ向けて声を、始めは遠慮がちに徐々に大きな声で。魅音がシャッターを両手でバンバン。2階の窓が開いてるかも。魅音がはしごを支える。 レナ古手神社の本宅も見てくる。 「古手神社の本当の家だよ。両親が亡くなって以来、ずっと放置してあるそうだけど」「沙都子も親なしだよ。・・・・・・オヤシロさまの崇りってことで、両親が崖から落っこちてね。・・・お兄さんだった悟史くんも・・・いなくなっちゃって・・・」「聡って、・・・前に聞いた名前だな」始めは本宅で過ごしていた。でも両親を思い出すから辛いって言って。 「呪われてるんだよ」魅音の目はどろりと濁り、・・・瞳の中には・・・混沌という名のシチューがぐつぐつと煮えくり返っていた。それらがぐるりぐるりと渦を巻き・・・ぼこりぼこりと泡を浮かせる・・・。 「北条沙都子はね。・・・オヤシロさまの崇りを一身に受けた、呪われた子なの」聞いてもいないのにそう答えた。「公園の展望台から転落死したのは両親だけ。あの子を味噌っかす扱いしてた両親だけが死んで、あの子は一人だけ助かった」「・・・引き取り先で、あの子を虐めた叔母は、綿流しの夜に異常者に、脳みそがぐっちゃぐちゃに飛び散って、頭が原形を留めないくらいに滅多打ちにされて殺された」「・・・いつもあの子をかばってた悟史くんも、・・・あの子の誕生日に突然消えてしまった」「あの子を虐めていなかったのに消されてしまった。・・・警察は家出したんだって決め付けたけど、悟史くんは逃げ出すような人じゃなかった」「いつも一生懸命。誰の力も借りずにこつこつと、努力する人だった。たった1人の妹のために身を粉にして頑張ってたのに、消されてしまった。あの子のためだけに生きていたのに消されてしまった」「可哀想な悟史くん。なんて報われない悟史くん。なんて恩知らずなあの子」「あの子に近付けば、それが誰でも末路は同じ。崇りで死ぬか、崇りで消えるか。あの子に安らぎなんてあるものか、あの子に安らぎなんてあるものか」「梨花ちゃんが消えたのもきっと沙都子のせいだよ違いない違いない違いない違いない違いない違いない違いない違違違違違違・・・」 もはや聞き取れない言葉の繰り返し。わなわなと肩の震え足場がぐらぐらと震え。「お、・・・落ち着けよ魅音・・・!!な、何のことを言ってるのかわからないよ!!」ハシゴを倒される・・・ 大勢の人が駆けて来る足音。レナを先頭に、4〜5人の大人たちが懐中電灯を手に。 「圭一くん、魅ぃちゃん、遅れてごめんね!カギ、借りてきたよ!」「お、助かったね。どうも窓も戸締りは完璧らしくてね。困ってた」ついさっきまでうわ言のように言ってたのは、あれは誰なんだよ? ハシゴから飛び降りた。大人はカギ束をいくつか試しながら、1階の大きなシャッターを開けようとしていた。「梨花ちゃんの家はね、元々は町会の防災倉庫だったの。だからシャッターのカギを今でも村長さんの家が預かってるの」いつもの魅音。 シャッターが開いた。レナが、灯りのスイッチを探り当て、中に飛び込んでいく。俺もそれに続いた。中に入ると生活感にあふれた人家。 1階は町会の倉庫を兼ねているが、2階は完全に居住空間。ワンルームマンションのような台所を抜けた先が8畳くらいの居間。タンスや戸棚がぎっしり、隅には取り込んだらしい洗濯物の山。居間の中央には折りたたみテーブル、その上に醤油やドレッシングの小瓶。 魅音が「・・・信じたくないけど、・・・公由の村長さんが消えたのが昨日の今日。・・・無関係とは言い切れないね」お茶になって起こすに起こせなくなった可能性「牧野さんは裏手から沢の辺りの家を回って下さい。慶太郎さんは御蛇ヶ池の方を。岡村さんは・・・、」「私はここに残って、電話で片っ端から心当たりに問い合わせてみます。じゃ、皆さん、そういうことで!」 レナは頼りになる魅音をとても頼もしそうに見つめていた。圭一うろうろ、レナもきょろきょろ。冷蔵庫や流し台の下の棚。 「私、みんなに話してくる。・・・遅かれ、警察も来るだろうしね。大石のヤツにも事情を説明しなきゃ」 外には10人くらいの大人。社のほうに老人が集まり数珠を揉みながら梨花ちゃんの無事を祈る。魅音の号令。誰も向かわなかった方向へふらふらと。 TIPSスクラップ帳より\ <園崎家について> 戦後急激に勢力を広げたのが園崎家。その時の当主が園崎お魎。今日では当時の片鱗を見ることもかなわない。伝え聞く話では歴代最高の名当主。週に何回かの習い事以外は自宅に、セレモニー的なものは魅音に委ねることが多い。(当主跡継ぎが魅音なのは娘夫婦の勘当騒ぎが絡んでいると噂)魅音奔放な娘。だが、恐らくは巧みに爪を隠す(過去の当主たちと同様)油断ならぬ人物であることに違いない。 TIPS園崎家の老当主は? 大石と熊谷と小宮山 「はい。郵便局員も目撃してないそうです。・・・園崎本家は、郵便受けにハンコが吊るしてあるそうで、書留も宅配便も勝手にハンコを押して投函していい事になってるんだそうっす」最後の目撃は?「綿流しの開会式でした挨拶が最後です。その後すぐに帰宅したらしいっすから」お稽古は?「毎週月曜に集会所で大正琴を習ってるんですが、今週は休んだそうです」欠席の電話は?「いえ、誰も。ただ。たまに休むことがあったらしいので誰も不審に思わなかったようです」「明日さ、10時くらいになったら市役所のふりして電話してみましょうかね。在宅を確認してみて下さい」了解っす! お魎、威厳は衰えないものの、人前に姿を現すことが稀。 「園崎魅音が言うには、体調を崩して寝込んでるそうです」本当に寝込んでるのかなぁ。2人してたばこの煙。園崎本家と古手神社の令状請求。 突然視界が開け冷たい風。村を見渡せる高台。村全体が眠りから起こされていっている。地面を掻き毟る。自分を悔しいと思った。ジャリという音。レナだった。駆け寄り解放するように背中を撫でた。 俺が全部悪いんだ。「圭一くんが?何も悪いわけ無いよ。自分をどうか責めないでね・・・」レナの言葉の裏も感じ取った。梨花ちゃんと沙都子ちゃんがいなくなった原因を、圭一くんは知っているんだね? でも、もうレナにだって言えない。レナまでも消えるなんて許せない。 「圭一くん。こんな風通しのいい所にずっといたら、風邪ひいちゃう・・・」レナも地面に座り込んだ。 「・・・子供たちはね、もう解散して家で寝ろって」腕時計を見せてくれた。午前1時をとっくに過ぎていた。時間の経ち方が速すぎる・・・。「もう寝ないと、・・・明日の学校に差し支えるよ。大人たちだって、昨夜も一晩中村長さんを探したからみんなくたくた。・・・今夜は少し早めに解散するって」村長と同じじゃないことに少しの怒り。「大丈夫。さっきね、警察の人も来たの。今、どんどん町から応援のパトカーが来てるよ」山向こうの闇から車が何台も。しかし静か、隠密に片付けられる。梨花ちゃんの・・・西洋人形のような愛くるしい顔が、・・・消えていく。・・・沙都子の、八重歯の似合う元気な笑顔が、・・・消えていく。思い出そうとするほど良くわからなくなる。馬鹿な自分の脳みその愚かさに涙する。 「圭一くんが、何を自分に責めているのかわからないけれど・・・、もうやめよ?」放っておいてくれないか。きっと家に帰っても眠れない。 「・・・俺のせいで・・・消えてしまったんだ。・・・他の探してくれている人たちよりも・・・先になんか・・・眠れるものか・・・」独り言のつもりが・・・失言だった。 「・・・・・・圭一くんのせいなの?どうしてそう思うのかな?かな?」レナが消えてしまうのは嫌だ。絶対に嫌だ。この罪は1人で背負わなければならないのだ。 「・・・・・・・・・・・圭一くんが、とても仲間思いだって知ってるから。自分を傷つけたくなる気持ちもよくわかるよ。だけど、レナは圭一くんのせいじゃないって知ってる。圭一くんが悪くないって知ってるから」「し、・・・知ってるって・・・?!」血の震えぞわぞわ悲しみが旋律へ。 レナが頭を鷲掴みにしてわしわしと撫でてくれた。「・・・・・・圭一くん。ひょっとして、・・・レナも消えちゃうかもしれないって、思ってるのかな?・・・・・・オヤシロさまの崇りで」 なおも力強く撫で続ける。「だったら安心して。レナは消えたりしないよ。絶対に」どうして? 頼む、消すなら早く俺を消してくれ・・・! 「・・・ほぉら、圭一くんに涙なんか似合わないよ。みんなのところに行こ。婦人会の人たちがね、お味噌汁の炊き出しをしてくれてるの。飲むと暖まって落ち着くよ」促されるままに立つ。 境内ではガスコンロに大きな鍋に味噌汁。大勢の村人疲れきった表情。「・・・圭ちゃん、どこ行ってたんだよ。圭ちゃんまでいなくなったのかと心配したよ?」 手がかり無し。自転車に乗った姿は誰も見てない。雛見沢は暗くなるとあっという間にひと気がなくなる。町から帰る車やバイクのみ。 魅音の他人事のような言い方にカチンと来たが、・・・すぐにその怒りは引っ込む。明るくなったら警察の増援、興宮の方にいってる可能性。村長も含めて鹿骨市全体での目撃情報が無いか洗う。どこに行ってたんだい?!「何もなかった?怪しい人に監視されてるとか、付け狙われてるとか、・・・そういうのはなかった・・・?!」なにもないよ。すまん。 大石登場。野太い親父のいやらしい声。魅音と対立動じない。帰ろう。「〜なんならお二人をお送りしてもいいんですよ。熊ちゃん、車回して上げてください」自転車は・・・ワゴンなんで。警察の世話にはなりたくない。だが、レナは頷いた。自転車をホイホイと、後部座席に座る。まず、レナの家へ。眠くなる。 大石に起こされる。辺りは静か。コーヒー缶を差し出される。いつの間にか後部座席へ大石さんが。 何か用が?「私からは用はないんですが。・・・前原さんから私に用があるんじゃないかと思いましてね」別に。 大石が塞いでる側にしか扉は無いワゴン。だんまりを決め込むしかない。のんびりとタバコ。 「どうしてこんなことになちゃったんでしょうねぇ」そんなもの知るか。 「富竹ジロウさんと鷹野三四さん、ご存知ですよね。お祭りの時、園崎詩音さんを含めて4人で一緒におられたのを、・・・私がこの目で拝見してますから」「その富竹さんと鷹野さん、・・・今どうしておられるかご存知ですか?」「実は、・・・お亡くなりになってましてねぇ。気の毒な死に方でした」過敏な反応は示さない。「・・・おんやぁ?ひょっとして・・・ご存知でした?」「じゃあ・・・こっちもご存知かなぁ。・・・富竹さんと鷹野さんが『タタリ』に遭われた理由の方です」「・・・・・・何でもですね、入っちゃいけない、禁断の建物に入ったからだって言われてるんですよ」「村長さんや古手梨花さんも、・・・そのせいで祟りに遭われたんだという噂はご存知で?」「祭具殿って言いましたっけ。・・・あそこの鍵を簡易なものに付け替えたから賊に入られたんだって言うケチがついてるらしいんですよ」初耳。一昨年まではでっかいカンヌキと錠前がいくつも。事故後は梨花1人。村長に相談。梨花じゃあきつかった、村長が職人を手配して南京錠に付け替え。「そういう話がまかり通ってて、一部の村人たちが祭具殿に忍び込んだ賊と、賊に破られるようなカギに替えた村長と梨花さんを罰したんだ・・・。・・・なーんて話があったりなかったりしてるんですよ」どう思います?どう思うって・・・「御三家ってご存知ですかな?綿流しのお祭りの開会式典で、各家の代表がそれぞれ挨拶をなさっているでしょう」みていない。御三家の話。梨花も開会挨拶。古手家が旧家と言う事は知らなく園崎のみ。古手家は勢力を持たないが梨花には求心力がある。だから?「ここまで説明しても。まだ説明が足りませんかねぇ・・・」「・・・わからないから聞いてるんです」意味深な苦笑。「御三家の人間が相次いで消されてるんです。どういうわけかね。・・・雛見沢の内側の、古い因習か何かに基づいているんじゃないかと読んでいるんですが、それ以上の事はさっぱり」園崎家当主が消えたり、なははは。園崎家の当主って?「当主は園崎本家のおばあちゃんなんですが、実質上の当主権限は孫娘の魅音さんに移行していると見て間違いないでしょうねぇ」魅音が消える?!「嫌でしょ」「では協力を、前原さん」魅音について気付いた事は?気おされる・・・ 運転席から無線、解放される。「・・・もしもーし。ハイハイ、感度良好」「・・・・・・そうですねぇ。ハイハイ。・・・では戻りましょう。ハイハイ。ハイハイ」「そろそろ戻らないといけないみたいです。んー、これからがいい所だったんですが・・・残念ですねぇ」 前原さんは友達思いの、今どき感心な若者です。しかし協力してほしい。 なんとそこは家の前だった。もう3時。 鍵はかかっていたが、チェーンは無い。階段へ。 意識はここで途切れた。 6/22(水) 見慣れた天井、自分がいつもの布団の中にいることはわかった。時計を見るといつもの時間。 家にも梨花ちゃんの所在を尋ねる電話。お袋もただならぬ事態を理解。味の無いトースト。 レナ来訪。レナとの待ち合わせを5分過ぎていた。 レナも寝不足らしい。いつもの元気が少し足りない。「学校、・・・行くか?」「うん・・・。・・・その方がね、きっといいと思うの」「今日をお休みしたら、きっと圭一くんは病んで病んで、寝込んじゃうと思う。・・・私、そんなの嫌だから。・・・だから一緒に学校に行こ」 魅音との待ち合わせ場所に来たが、魅音の姿は無かった。ほんのしばらく待って、もう行ってもいい時間に。どうする?大石の言葉が頭に・・・消えてる?「・・・・・・行こ。今日は寝かせておいてあげようよ」 途中、親と一緒に登校するクラスメートが何人か。車登校もいるみたいだ。校門には校長が立ち番。始めてみる光景。立てかけられた木刀。保護者同伴も。 教室、先生が入ると静まり返るひそひそ話。一緒に校長も。校長の話。梨花ちゃんと沙都子が行方不明になったという話。先生の話。登下校は保護者と一緒に、または集団での登下校。プリント配布。 いっそ休校にすればいいのに、だが、レナに言わせると、託児所の一面もあるらしいのでそうは行かないらしい。委員長いないので日直号令 昼 先生も一緒に昼飯。カレー弁当。レナが椅子と弁当を持ってくる。「・・・眠いね」レナの弁当箱にはいつもの精彩が無い。俺の弁当の方が立派、しそチーズのちくわ巻き。努力。2人で弁当はう〜・・・ごめん。ううん仕方ないよ。 「梨花ちゃんと沙都子、・・・どこに行ったんだろうな」あまりに酷い言葉だったかもしれない。「・・・・・・・・・昨日ね、圭一くんがいなくなってる間にいろいろと話を聞いてたから、・・・レナの知ってる限りを話すね」レナは婦人会の人と味噌汁の炊き出しの手伝い。「警察の人も、家に帰ってからすぐに自転車で遊びに行ったんだろうって言ってる」「・・・家に帰ってからすぐに自転車で遊びに行くところといったら、・・・町かもしれないでしょ」「・・・だから、興宮の町でいなくなったんじゃないかって結論になってるみたい。警察は明るくなってから捜査範囲を興宮にも広げるって言ってた」 違和感。何か大切なことを打ち明けた、犬さんも大変なことになってしまう。梨花ちゃんなりに一刻を争う表現だったように思う。「・・・・・・・・・町なんかに、・・・行くわけないと思うんだ」 「圭一くんもそう思う?レナもそう思うよ。梨花ちゃんも沙都子ちゃんも、雛見沢でいなくなったに違いないの」教室では話しにくい話、弁当箱を持って裏の水飲み場へ。 「・・・梨花ちゃんと沙都子ちゃんが町に遊びに行っていなくなったなんて、何だか腑に落ちなくて・・・・・・私なりにいろいろ聞いたり、調べたりしたの」「婦人会のおばさんたちにいろいろ。・・・昨日のお味噌汁、お豆腐がいっぱい入ってたでしょ。・・・富田豆腐店のおばあちゃんも来てたの」病院に行く道の途中にある商店の並びのひとつ、風呂桶みたいな水槽。「お婆ちゃんね、昨日の帰り道に沙都子ちゃんがお店に寄って、お豆腐を買って行ったのを覚えてたの」「・・・豆腐?学校の帰り道にだろ?それが何か手がかりになるのか?」「いいから聞いて。・・・梨花ちゃんの家に行った時のこと、覚えてるかな?」「・・・ガス台にお鍋がかけてあって、その中にお味噌汁が入ってたの。中にはお豆腐が多分、一丁の半分くらい入ってたと思う。残りの半分は冷蔵庫の中にあったの」「冷やっこにするつもりだったんだね。お皿に開けてラップがかけてあった」「圭一くん。お味噌汁の豆腐って、本当に最後の最後に入れるんだよ」「つまり、お料理してた梨花ちゃんか沙都子ちゃんは、お夕飯の時間の直前まであそこに立って料理をしていたことになるの」「三角コーナーのゴミを見たら、すごくぶきっちょだった。・・・食事やお弁当はほとんど梨花ちゃんが作ってるんだけど、たまにね、沙都子ちゃんがすることもあるの。だからその晩は沙都子ちゃんがお料理したんだね」「うん。それで私、炊飯釜も見てみたの。・・・炊飯釜には2人分のご飯が炊けていた」「それで次に冷蔵庫の中も見てみたの。そうしたら、残りの半分のお豆腐で作った冷やっこがあったの。それだけじゃない。お夕飯用に作ったおかずが何皿かあってみんなラップがされていた」「そう。ラップって、食べ残しとかを取っておくためにするものだよね。・・・冷蔵庫に入れたということは、少なくともその晩の内には食べないつもりだったということ」外食とか出前とか。「それも突然にね。前もって決まっていたらお料理なんかしない。・・・そしてお夕食は2人分用意されていた」「つまり、沙都子ちゃんは、2人で食事できると本当に直前までそう思って料理をしていたということなの」「そう。・・・つまり、いなくなったのはお夕飯が出来て、夕食に至るまでの本当にわずかな時間。・・・多分、7時ごろくらい」そんな時間にどこへ?「当然、そこに行き着くよね。・・・圭一くん、覚えてるかな?折りたたみ机が置いてあって、その上にお醤油や箸立てなんかが置いてあったのを」「お醤油の小瓶ね。空っぽだったの。もう一滴も入ってなかった。これじゃあ冷やっこは美味しくないよね。だから私、流しの下にある醤油の大瓶を探してみたの」良くそんなところにあるって。梨花ちゃん家でお料理した事あるから。「でね、流しの下を開けてみたら、お醤油の大瓶が瓶ごと無かったの」ここから先はレナの想像。 ・・・昨夜の夜。沙都子ちゃんはいつものように夕食の準備をしていた。梨花ちゃんは食事ができるまでテレビを見ているのが普通だそうだから、きっとごろんと横になりながらバラエティ番組でも見ていたのだろう。味噌汁に豆腐を入れ、もうすぐ夕食というところで、醤油が切れていることに気がついた。そこで手の空いてる梨花ちゃんが、醤油の大瓶を持って、ご近所に醤油を分けてもらいに行ったのではないか。雛見沢では珍しいことではない。そして梨花ちゃんは、自転車に乗って醤油を分けてもらいに出かけた。だが、いつまで経っても梨花ちゃんが帰ってこない。そこで沙都子は、梨花ちゃんが醤油を分けてもらいに行った家へ電話をかけた。・・・うちの梨花がお邪魔してませんこと?こんな感じだろう。相手は、きっとこんな感じで返事をしたに違いない。「・・・うちに食事の用意があるから、沙都子ちゃんもいらっしゃい。梨花ちゃんはもう食べてるよって。・・・きっとそんな感じで呼び出したんだと思う」沙都子は悪態をつきながら、自分の作った夕飯にラップをかけた。冷蔵庫に入れたのは明日の朝食や弁当のおかずに流用するためだ。そして沙都子も自転車に乗った。梨花ちゃんのいる家に向かって。 「でも、・・・すでにこの時点でおかしいの。食事ってね、突然やってきた人に振舞えるほど、多めに作るものじゃないんだよ」たまたまなら?「それでも絶対に考えられない」「だって、・・・梨花ちゃんは、沙都子ちゃんががんばって作ったお夕飯がもう出来てることを知ってるんだよ?!どんなにお夕飯を勧められたって、沙都子ちゃんのお夕飯を無駄にするようなことをするわけが無い」 状況証拠とレナの想像だけ。その説得力はあまりにも強かった。 どこへお醤油をもらいにいったんだ?「・・・・・・レナの推理はここまで。・・・あくまでも想像だからね。警察の人とかには内緒にしといてね」確信も無いのに村の人を疑えない。レナは人が来たのをみて、去っていった。 圭一まとめ。祭具殿に入って、富竹鷹野がタタリ。残りは二人。なぜ?詩音が監視なんていってた。不思議と今日までそう感じる事は無かった。大前提がズレてる?俺はこの事件の当事者。見届ける義務。 昼休みの終わり。校長に促されて教室へ。 下校時間には親がたくさん、来ない生徒は集団下校。レナを自宅まで送っていくことになっていたが、レナはそれを辞退すると言った。警察の車が。大石ニコニコしながらこちらへ。レナに行くように促す。「・・・・・・俺は犯人じゃない」知ってるよ。関係ない事は無い。「・・・今度、話すよ」レナは会釈して小走りに。「どうもどうも。お帰りなさい。前原さん」「ご家族はお留守みたいですねぇ。いやはや、困っていたんですよ」「親父の仕事の関係で出かけてるんだと思います。帰りは遅いと思いますよ」好都合。車に。 ひぐらしの声「捜査の方はどうなってるんですか?」最近はいっぱいあり過ぎて、どれのことやら。「全部です。」「・・・いいですよ。本当は報道官制が敷かれた秘密捜査なんですが、あなたには特別に聞かせてあげましょう。・・・じゃあ最初の事件から行きます?」富竹鷹野「・・・こっちはお恥ずかしいかな、・・・さっぱり進展なしです」富竹、暴行を受けた形跡があるが、死の説明がつかない。薬物は検出されない。鷹野、首を絞められた後ガソリン。管轄が隣なので協力的でない。犯行時刻は概ね祭りが終わった直後。鷹野はちょっとあやふや。どうして、鷹野だけ遠くに?富竹は?大石も注目すべき点だと考える。他にもいくつか不審な点。村長は?「失踪された一日の足取りを調べました。・・・手がかりになるようなものは見つかりませんでしたが、一応、お話しましょうか」 村長、公由喜一郎。重度の痔を患っている。古い生まれでプライドが高い。内緒で鹿骨市内の大学病院の肛門科に通っている。失踪当日、村長は診察の予約を取っていて、朝一で出かける。待ち時間が長い。診察が終わったのが午後1時頃。病院内のレストランで食事を取り雑誌を読んで時間つぶし。この辺りは自宅にあった財布のレシートから。夕方から神社の集会所で会合の予定。途中電車で人身事故足止め。家に着いたのは会合の時間の直前。家族が慌てて出て行くのを目撃。 会合は御三家と町会役員が集まってのもの連続怪死について協議したものと思われる。 あれ?詩音? もう一度良く思い出せ・・・これまでの回想。 打チ明ケタンデス。公由ノオ爺チャンニ。イツ、打チ明ケルンダ? その先を考えることを、もうひとりの自分がやめろと脳を撹乱させる。長い時間思考を凍らせていたのか。大石の吸殻いれを見て。 「・・・あの晩、あなたたちが4人が祭具殿に忍び込んだことは知っています。次の日にはもう村の、知る人は誰でも知る噂になってましたからね」問題は忍び込んだ人間が次々に犠牲になるような、何があったのか。しかも、扉の鍵を付け替えた村長や梨花さんまで犠牲に。 もう黙っているのにも疲れ果てた。もう今さらどうでもよかった。「・・・・・・大昔に使った拷問道具がたくさんしまってありました。・・・それを鷹野さんたちと見て回りました」本当にそれだけ?口封じをされるような、とんでもないものは?不審な木箱やコンテナが山積みでは?「・・・あの祭具殿に、何か秘密があるんじゃないかと思って、捜査令状を請求したんですがね、・・・もーー、空前絶後の妨害工作がありまして」「信仰の対象に対する侮辱であり。憲法で定めた信仰の自由を何たらかんたら・・・。〜」 では、富竹らの死は禁忌を破ったからという制裁だけ?「・・・もういちいち隠しませんけどね。・・・あなただけが今日まで被害を免れてるんです」最後の生き残り。祭具殿に忍び込んだコソ泥4人組の。富竹らの翌日園崎詩音失踪。「園崎詩音さんは、その日の気分で親類の家を泊まり歩いたりしますので、所在不明が当たり前なんですよ。学校も気分ひとつでよく休みますしね。先生も困り果ててました」 毎晩かかってきたあの電話は?あれは詩音からの電話のはず・・・ 彼女が失踪したことに気付くのに大分時間がかかった。 全身の毛穴に針をつきたてるような刺激痛。背中から始まり全身へ。さらにお腹の内側にも広がっていく。綿流しの次の日に、図書館で会った詩音が最後の目撃。エンジェルモートを無断欠勤今日に至るまで全て。図書館で分かれてバイト先に向かうまでに失踪したと考えるのが妥当。「次に何かが起こるとすれば、それはあなた何です。前原さん、どうかご理解を」そんなばかなあああああああ! TIPSスクラップ帳より] <秘められた『鬼』ついて> 鬼という字はとても神聖にあつかわれている。名前に『鬼』の字を使うことは、公由と園崎の当主だけに許された特権だったらしい。お魎、魅音、さらに後を継げなかったお魎の実の娘で、魅音の実母である園崎茜(あかね)勘当前は蒐。喜一郎の「キ」も鬼を意味すると考えられる。 御三家の苗字にも『鬼』。公由は鬼を分解してできた名。古手も占い手、「占手」に鬼の角を加えて古手としたと考えられる。園崎には名前に鬼があるせいか苗字に鬼はみつからない。儀式の内容を苗字に、崎は「裂き」の読み替えで園は形状から複雑な内容物から構成されるもの「生物」。その意を暗喩して園崎。 TIPS請求却下 大石「どうです?何か手がかりはありました?」署員たち首を振る。綿流しから一睡もしてない者ばかり。課長に若い子から交代で仮眠を取らせるように。みんな遠慮してなかなか休んでくれない。小宮山くん。課長から重ねて言われ、小宮山席を立つ。 例の請求は?村人の噂だけでは難しいもっと具体的な証拠を。その証拠が中に。その証拠が中にあるという証拠が。「課長〜。ナゾナゾやってるんじゃないんですよ?死んだ2人を含む4人が綿流しの晩に祭具殿と呼ばれる禁断の蔵に無断で入り込み、それを何者かが見ていた!ここまでは信頼の出来る情報なんです。」それは噂、証拠が無い。4人は何かを見た。消されるくらいの何かを。園崎絡みの闇市場関係、隠し資産が有力。地元の人間に配慮が・・・。園崎議員から署長に1時間に及ぶ電話があったと聞いたけど。 特に園崎本家は4課と県警の暴対と入念な事前調整が必要。調整がいるなら、私、直接乗り込みますよ。4課長はシゲちゃん、暴対は山海さん。隣の雀荘で話した方が早そうな面子ですねぇ。 課長にお客、紋付袴でヤクザの親分みたいなジジイ。議員の園崎。責任者出せ。課長の高杉で。大石とか言う男も呼べ。古手神社に捜査令状なんぞ罰当たりな。大石はただいま捜査に出かけておりまして・・・。 2500年の歴史、日が昇りてから沈むまで、月が昇りてから沈むまで、雛見沢を見守る尊い神社。 ソファーでぼんやり。家には書置き、親父とお袋は帰りが深夜になるから、ラーメンでも作って食べてくれとのこと。 食欲も無い。もうじき夜の10時。今日も電話はかかってくるのだろうか。誰から。 詩音はどこか親類の家に隠れていて・・・自分の意思とは無関係に右手が動きペシャリとほおを叩く。冷静さを取り戻す。さり気なく、会話を聞き、受け、流す。化けの皮を剥いでやるんだ。それはとても恐ろしい事。生き残りとしての責務。 詩音そっくり。・・・魅音だ。今日まで魅音に感じていた数々の違和感。どうして魅音が?大石や詩音に聞かされた、・・・魅音はいつも、事件の渦中にいて・・・全てを知り得る立場に居て・・・。逃げてはいけない。 電話、怖い問い詰めたい事が多すぎる。とにかく電話を取ろう。詩音だ。遅いですね。風呂に入ってて。ご家族は留守なんですか?そんなことより梨花ちゃんと沙都子。気を落とさないで。二人はさらわれたんだよな。それは間違いないでしょうね。村長さんはさらわれてどうなったと思う?まだ生きてるんだろうか?「殺されちゃったんだと思います」人間を〜。足元がぐらつくくらいに世界がたわみだす。激しい嘔吐感。「梨花ちゃんと沙都子ちゃんも、同じだと思ったほうがいいでしょうね」「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ」泣いた。どうか気を確かに・・・ その声に憎しみを感じるようになってきた。「どうしてだよ?!どうして・・・人をさらったり、殺したりするんだよッ?!?!祟りだかなんだか知らないが、人の命ってのはそんなに安いのかよ?!あっさり消したり殺したり!!」悪魔ですよね。「なぁ詩音。・・・教えてくれ。・・・どうしてこの雛見沢では、綿流しの夜に人が死ななければならない事になってしまったんだ?」それは私が知りたいです。ダム闘争は終わった、理由があるなら言ってみろよ!!!そうです。なのに毎年、オヤシロさまの祟りと言う名の殺人と失踪が繰り返されている。「・・・なぜ?!どうしてなんですか?!全然関係ない人もいた、祟られるのに不相応な人だっていたのに、どうして?・・・どうしてッ?!?!」それを俺がきいているんだぁあああーー!それを私だって知りたいんですよぉおおぉおぉお!!!荒い息 「いいですか。・・・オヤシロさまの祟りなんて非現実的なものは初めから存在しません」村の何者かが失踪と殺しを。「・・・ヤツらは狡猾でした。祟りを都合よく利用して、村の仇敵を毎年2人ずつ消し去るシステムを構築していったんです。・・・そしてそのシステムで、今年は鷹野さんたちが殺された!!」じゃあ2人で充分だろ。どうして・・・それに俺は過去のことは今さらどうでもいいんだ!!どうして梨花ちゃんと沙都子が。どうして沙都子まで。沈黙。 いじめないで下さい。何がどうなったのかさっぱりなんです。あの日から。詩音の泣く嗚咽を聞いているうちに興奮は冷めていった。あの日から。鷹野さんらの死を聞いて怯えて、打ち明けたんです。本当に悲しい泣き声。 思い出せ前原圭一。村長は綿流しの次の朝〜「・・・・・・・・・・・・・いつ、・・・村長に打ち明けたんだよ・・・」ごめんな。村長が痔なのは?何度か口ごもり。「知ってます。座る時辛そうでしたから」病院は?知らない。大雑把で良いからどこでいつ打ち明けたんだ?実は会合に・・・君は、俺と一緒に行った図書館以降、誰にも目撃されていない。「・・・園崎詩音は・・・。綿流しの翌日に、失踪したんだ」静まり返る。大石に聞いた「・・・・・・頼む詩音。・・・俺が言ったことが間違ってるなら、・・・そうだと言ってくれ。詩音、頼むから・・・」村長に遭えるのは失踪直前もしくはおっそうした後しかないんだ 目 電話は一方的に切られた。 TIPSスクラップ帳よりXI <双子の忌避について> 鬼ヶ淵の御三家は、双子が生まれるのを嫌った。御三家の微妙なバランスの上に成り立つ長期独裁体勢が、お家騒動での瓦解を恐れた。文献では間引くべしと。魅音と詩音の存在が興味ぶかい。情け?跡継ぎの魅音は別格の扱い。聞くところでは、魅音が才能のほとんどを持つと。私はそのような偏りは感じられない。園崎家の当主は立派な鬼の刺青を彫るという。魅音やお魎にも。 TIPS雀荘「鈴」 本日貸切。若い人はもう既に来てる。タバコ1カートンコンビニの袋で奥に消える雀荘の婆さん。慣れっこ。どの宅にも牌は出ていない。 「状況は芳しくありません。署長が園崎系議員の恐喝に屈したそうです」「近日中に鷹野殺しはお隣の県警さんに譲り、村長たちの失踪は行方不明扱いで生活科に委ねるそうです」ベテラン達が吐き捨てる。令状も却下、課長からは園崎家界隈には近付くなと。私には来週から警視庁へ研修命令、その後余った有休を伊豆で消化しろ、と。熊谷がホワイトボードを返す裏には磁石で邸内の図面。大石たちの名物覚悟の10カウント。わははは。各自、手元の資料を。監視カメラの所在と死角を叩き込む。熊ちゃんは指揮車で待機。非常時は大石に変わり指揮を。小宮山は突入A班を敦くんは突入B班を指揮。監視班は1から8まで所定の位置で監視。盆地くんはタイムテーブルを厳守書に怪しまれないようにローテを管理。待機中の班は大石の所在をとぼける。ゲストのエスコートは大石。圭一はもうすぐ落ちそう。 6/23(木) 普段気を使わない親父が気を使う。学校控えた方が良いんじゃないか?学校は休校にすべき、と盛り上がる。 全てに興味が無い圭一。強い薬を飲まされてフラフラになる感じ。 回想、妄想綿流しの日祭具殿入りを断ることを。梨花ちゃんの演舞は成功。みんなで拍手。 チャイム。レナとの待ち合わせの時間を5分過ぎていた。 今日から集団登校。一番遠くは圭一とレナ。下級生は待ちぼうけ。 圭一今日から休む事にする。レナも圭一の体に一番やさしい過ごし方をすべきと。 レナ回覧板を持ってくる。いろいろ大事なお知らせ。いつも以上にたくさんの紙面。トップに村長を梨花ちゃんと沙都子の失踪と、情報を求める内容。 レナは警察が何とかしてくれるのを待とう。信じよう、と。まるで自分に言い聞かせるように。 レナ祭具殿に忍び込んだことを知っている。「筒抜けなんだな・・・。〜」「・・・魅ぃちゃんはすごく怒ってたよ」「でもね、きっと魅ぃちゃんが怒ってたのは・・・忍び込んだことよりも。・・・それを隠していたことだと思うの」「圭一くんは・・・、自分から言い出して、謝らなくちゃいけなかったんじゃないかな」 一週間前も魅音を傷つけて、謝らなければならなかった。レナの言うとおり。何も気付けない。 「圭一くん。・・・・・・もしもだよ。・・・もしも圭一くんが、悪いことをしたことをすぐに認めて、・・・魅ぃちゃんに謝っていたら。・・・・・・梨花ちゃんと沙都子ちゃんはいなくならずに済んだのかな」即答なんかできない。 「・・・・・・・・・・・・あぁ。・・・そうだ」 バシンッ!!!!レナの平手打ち。 痛みなんて無い。「誰も、・・・圭一くんのことを叱らなかったと思う。・・・だから私が変わりに圭一くんを叱るね」「入ってはいけないところに勝手に入るのはとても悪い事!!・・・それはわかる?!」「そして、・・・もっと悪いのは、自分が悪いことをしたのを認めないこと!!悪いことをするのはとてもいけないことだけど、・・・それを認めて謝らないことは、もっともっと悪いことなんだよ!!!」はい、 時間なので、もう行く。回覧板は暗くなったら回さないように。 落とした回覧板を拾う。紙面を集める。1枚の紙面。 本場仕込みのお醤油、まだまだたくさんあります。お気軽に園崎までどうぞ。 遠縁の親戚が秋田で高級醤油の仕込み。それをたくさん送ってきた。お裾分けはお気軽に。一升瓶などの容器をお持ちください。 レナは、知ってた。 魅音を疑ってた。魅音なら全ての犯行、詩音も含むが容易に可能。 魅音に謝ってくるよ。もう全部終わりにしてもらう。 靴を履き、レナの脇を抜けようとする。レナが制す。 「私も行くよ」「学校なんかより、もっと大切な用事だよ」レナは来るな。「・・・・・・圭一くんまでいなくなったら。・・・私も頭がどうにかなってしまうかもしれない。・・・だから、圭一くんだけを行かせない」強い口調にたまる涙。わかった。 行こう。魅音の家へ。謝ろう。俺が犯した罪を。そして終わらせよう。この狂った日々を。そして、願おう。もう一度、あのにぎやかで楽しかったあの日々に戻れることを。 表には車、大石さんだ。プレッシャーを与えるつもりで張り込んでいたのか。だが都合がいい。 「警察の方ですよね。」「ありゃ、竜宮さんには名乗ってませんでしたっけ。〜大石と申します。どうぞよろしく」「圭一君の罪は、私の平手だけで購えるけど。魅ぃちゃんの罪は、この人たちに購ってもらわなくちゃいけない」「大石さんにお話があります」立ち話?車の中で?「車の中でします」俯いているだけの圭一。 レナに促され打ち明ける。大石さんが大仰に相槌を打ちながらメモを取る。そんなやりとり。「すっきりしたんじゃないんですか」そんなわけない。 無線。熊谷から、学校を欠席するという連絡があった。園崎家前は動きなし。標的は邸内。 引き続き見張りをお願いします。「了解しましたー。3号、7号は先ほど応援が到着、帰投しました。」課長が大石を探している。うるさい。誤魔化しといてください。園崎家前って・・・「ありゃ、そんな風に聞こえました?〜秘密にしといてくださいよ〜」「事情聴取も家宅捜索も、とにかく、なーんにも許可が下りないんですよ。園崎本家を守ろうという、園崎家の防衛機能がガキガキに作用しちゃってるらしくて」「令状がなくっちゃ、私たち、現行犯以外はなーんにも手出しできませんからね。んっふっふっふ!」レナ悪意を向けて睨みつける。「園崎家に踏み込めないものだから。圭一くんに踏み込ませようとしてたんじゃないんですか?」どういう意味だ?「この人は・・・私の想像通りなら、とても卑劣な人」人聞きが悪いですねぇ。圭一くんを利用して魅ぃちゃんを捕まえようとした。「その結果、圭一君が襲われるかもしれないのに。恥知らず!!これが警察のやり方なの?!」こりゃあ、とんだところに名探偵がいたものです。うちの試験受ける気あります?推薦状書きますよ。「卑劣漢」若いお嬢さんの一言が、一番こたえますよ。 今日まで魅ぃちゃんを逮捕しなかった事には感謝。 どうする?令状取るまでのんびり待っててくれるわけですかな?そんなの待ちません。魅ぃちゃんを自首させます。下手すりゃ、あなた達も無事ではすまないかもしれませんよ?「そんなのは・・・覚悟の上です!」ニヤリ「もし私たちに何かあったなら、それを口実に踏み込んで下さい。・・・犯人を取り逃がさないように、ぐるりと取り囲んで下さるのが一番の希望なんですが」はっはっは、交渉もお上手。降参です。「警察の人が魅ぃちゃんの家を包囲しておいてくれるなら。・・・・・・これが万が一の時の保険になるの。・・・・・・万が一の時の」短い熊谷との無線。既に組み込まれたシナリオである事が伺える。 車はいつもの待ち合わせ場所で停まった。そういえば・・・魅音の家には一度も行ったことはない。お送りできるのはここまで、情報では、薗崎本家は自宅周辺に監視カメラをかなり配置しているらしい。ご安心を。死角に若いのが何人か。指向性マイクで中をうかがっています。自首は認めてくださいね。くれぐれもご注意を。悪態をついて車を出る。 レナが先頭を切って歩き出す。レナは行ったことがあるのか?「うん。何度もあるよ。・・・・・・とても大きな家でね。お庭なんか、山がまるごと入るくらいあるんだよ。・・・松茸が取れるとか何とかで、いつもは柵がしてあるんだけどね」森があり、金網有刺鉄線。看板には『園崎家私有地につき立入厳禁!』『毒ヘビ注意』『監視カメラ作動中。侵入者は入山料として金百万円の証文に押印していただきます』 庭というか領地。私有地ではあるけれど、手入れも何もしてないから。散策できるような気持ちいい森でもないし。ところどころに監視カメラ、風雨に汚れ、機能しているかは怪しい。見て無いと思う。魅ぃちゃんの家は基本的に2人しかいない。一族が集まる時はちゃんと機能しているらしい。 大きな門。ビーと古い作りのブザーが鳴る。しばらくの間反応がなかった。門の向こうから砂利を踏みしめる音。ゴトリとカンヌキの抜ける音がして門が細く開かれた。紛れもなく、魅音だった。「こんな時間に珍しいね。二人とも学校は?」学校は休んだよ。「・・・・・・圭ちゃんはともかく、レナも?・・・二人とも不良なんだからなぁ」入りなよ。戸惑いレナを見るが、レナは気さくに笑って門をくぐって見せた。 門を抜けるととにかく広い立派な敷地。豪邸ではないが規模が大きいのはわかる。「圭ちゃんはうちに来るの、初めてだったっけ?」「今どき合掌造りなんて流行らないよ。観光資源にはなるかもしれないけどね。私は早く、ごくごく平均的な鉄筋コンクリートに建て替えて欲しいと思ってるよ」そういって重いカンヌキを締めた。 どうぞこちらへ。強張りがちな俺の手をレナがそっと握る。「〜私たちは魅ぃちゃんに会いに来たんだよ?そんなに緊張することはないんだから」俺は緊張すると考えてる事が全部表に出てしまうタイプらしいからな。何かあったってこっちは2人大石の部下が。 玄関「なんだこりゃ。魅音、この新聞紙の上においてある漬物石は何だ?邪魔だぞ?」レナくすくす。「圭ちゃんがよくわからないなら、それをどかしてそこに靴を脱いでもいいんだけど?」石の真上にツバメの巣。季節になると決まってここに巣を作る。「園崎家も大昔、養蚕とかやってたことがあるらしくてね。ご先祖様はツバメ退治にやっきになったそうだけどね。・・・それを思うと、これはちょっとバチ当りなのかな〜」家の中は決して明るくない薄暗いが風情。こういうのもいいな。「冗談でしょ。隙間風は入るし、冬場は寒いし!人の家を勝手に文化財にして改築を妨害しないでもらいたいねー」理想は圭ちゃん家、雪下ろしは大変かもね。井戸は関東より南、暖かい土地なのでは?「圭一くん知らないの?雛見沢は豪雪地帯なんだよ。〜」親父はかまくら作れて楽しいとか何とか。寒いのは嫌だー。これは強化合宿が必要。お茶持ってくると魅音。冬の部活もきっと楽しいんだよ。寒中水泳、雪中行軍、八甲田山かよ。冬の罰ゲームは辛いのが多い。雪が降ってる校庭で、リオのカーニバル。雪合戦、かき氷の大食い、雪中宝探し。なんで外で遊ぶんだよ。そんなこといってると冬場は負けちゃうかもね。魅音がポットとお茶の道具。ようかんとかなくてごめんね。別にお茶を飲みに来たわけじゃないし。その一言でレナから笑みが消える。誰も一言も発せずに魅音がお茶を入れる。どうぞ。に相槌を打てなかった。「・・・・・・毒なんか入ってないよ。・・・そこまで信用ないかな。心外だね。」長い沈黙。魅音が来たのはそっちなんだから、そっちから切り出してくれないと困る。レナが切り出そうとしたのを制して話し始める。魅音憎まれ口、後に思うと心遣いかも。まず、謝る事がある。「あの綿流しの晩。俺は神社の祭具殿に入ったんだ。」魅音の表情が急激に乾いていく。ほんのちょっとした探検のつもり、悪気はなかったんだよ。謝る。この通り。机に額を押し付けた。伏せることに息苦しさを感じ始めた頃、魅音がもういいよといった。「参ったな。いきなり直球勝負で来るとは思わなかったよ。参った参った。」魅音は冷めた顔。が、薄く笑っていた。「圭ちゃんに取っては面白半分の探検でも、・・・それが笑い事ではすまないと思っている人たちも大勢いるってことを、ちょっとでも理解してくれたなら・・・それでいいよ。郷に入りては、剛に従えって、・・・昔から言うもんね。」悪かった。許してくれ。「いいよ。圭ちゃんが悪いことをしたと思ったならそれでいいんじゃない?」魅音がどこか他人事のように言うのが愉快ではなかった。「〜魅ぃちゃんも真剣に応えてあげるべきじゃないのかな。かな。」私が不真面目そうに見える?「見えるよ」圭一くん全部話そう魅ぃちゃんもそれを望んでいるようだし。唇をかんだ。 「魅音。・・・一昨日梨花ちゃんと沙都子を呼んだろ」覚えはないけど。根拠があるなら聞かせてもらえる?夕方過ぎのお夕食の時間梨花ちゃんが来たはずだよ。お醤油の大瓶を持って。瞼がかすかに歪む。そんなに難しい話じゃない。レナの推理。自分で回覧板に書いたんじゃないか、お醤油をお裾分けするって。小さく舌打ち。「〜そして梨花ちゃんを・・・・・・・・・消・・・・・・隠してしまった。」それで終わりのつもりだったんだよね。梨花ちゃんが沙都子ちゃんに言い残していたのは誤算だったんじゃないかな。レナの推理。せわしなく指先をくるくると遊び落ち着きがなくなっている。狼狽。間違いなく図星。レナの推理。どうしてそこまで?膝に爪を立てる。レナの推理。魅音は目の前のレナが信じられないような顔。冷蔵庫の中身が如実に物語っている。「・・・とんだ名探偵が身近にいたもんだよ。・・・まさか、冷蔵庫の中身だけで電話の内容まで見破るとは。〜」馬鹿笑い。頭バリバリ。「とんだ名探偵、か。魅ぃちゃんこそ、大石さんがした会話の内容までよく察しが付くね。〜」大石の名前が出た瞬間狼狽。包囲されている。村長さんも?富竹さんと鷹野さんも?魅音は正座に座りなおし、表情から焦りや戸惑いが消え、厳かさをたたえていた。園崎家当主跡継ぎとしての魅音。よく知る魅音とは違うもの。今なら信じられる。「始めてご挨拶申し上げます。・・・園崎家本家跡継ぎ。魅音でございます。」皆様にご挨拶を。私にお話できることであればつつみ隠さずお話したいと存じます。何を訪ねてもいいんだな?知る限りを。レナがぶつけた最初の問いは「どうして、こんなことを・・・ッ?!?!」。しばらくの間、そして、魅音「少し長いものになります。ご静聴いただきますよう。」 涼やかだった。 鬼ヶ淵村と呼ばれていたことをご存知でしょうか。レナは頷き、圭一に顔を向け、圭一は頷き返す。昔は鬼ヶ淵村とその村人を麓の人々は崇め敬っていたが、時代の流れと共に廃れた。そして時代の激変に飲まれていった。そして、蔑まされるような苦難の時代へと。不当な誤解の連鎖。しかし、過去には鬼の血が流れると言って、他人を蔑み貢がせていたのですから、自業自得ともいえるのでしょうか。ここで魅音は初めて自嘲気味とはいえ、笑みをこぼす。太平洋戦争でも苦しい時代であった。終戦。連合国軍司令部の働きにもよって、差別撤廃の動きが高まり、村人は少しでも雛見沢を豊かにするために働いた。闇市で大きな富を得た人間、魅音の祖父園崎宗平。撤退時に軍の缶詰をごっそり盗み出した。瀬戸内海某所に隠し闇市で売った。大きな財を雛見沢で共有し勢力を次々と拡大させていった。「その活躍の中心人物が、魅ぃちゃんのお婆ちゃんなんだね。すごいよね。大活躍!」うれしいような表情の魅音。s30年ごろ逆風。缶詰疑惑。人肉缶詰、国への究極の奉仕、底に丸代。祖父の部隊は食材研究。レナ、気分が悪くなってきた。真っ青、正座しているのも辛そう。それが理由で、また、蔑まれる時代へ。 祖母はこういった、一人に石を投げられたら、二人で投げ返せ。千人に襲われたら、雛見沢全員で立ち向かいなさい。30年代の半ば、雛見沢は全員で立ち向かった。今の平穏は薄い皮の上のようなもの。再び崇められるに足るように、オヤシロさまの祟りを。それが鬼を次ぐ者の定め。名前だけではなく体にも。着衣に手をかけた。「いいよ魅ぃちゃん。・・・・・・・・見せる必要なんて全然無い。」ありがとう。 「この5年間の連続事件ね・・・私が直接かかわったものもあるし、間接的にかかわったものもある。いくつかは園崎家だけでなく、他の御三家の、公由家や古手家が関わっているものもあるけど、・・・その全ての中心に私がいたと思う」その声はいつもの魅音に戻っていた。自分のしたことには信念を持ってるし、罪の意識などまるで無い。あるとすれば跡継ぎがいないことくらい。ひょっとすると今の雛見沢を見ながら引退できるのは歴代当主で一番の幸せなのかもしれない。・・・・・・逃げてみても良いんじゃないか? 「でも、魅ぃちゃんは梨花ちゃんと沙都子ちゃんを、・・・・・・・・・・・・・・・殺したんだよね」「他の人のことは殺してもいいとは言わないよ。・・・・でも、とにかく魅ぃちゃんは。・・・・・・梨花ちゃんと沙都子ちゃんを、殺した」梨花、古手家は祭具殿を守らなければならない。しかし、鍵を簡易な南京錠に替え、破られたため。村長はその際公由家の当主として責任を取るといったため。悪い猫さんはいませんなのです、にゃーにゃー。賊の情報は綿流し中に耳に入っていた。公由、古手も責任を取らされる事に。「俺が、馬鹿だった・・・ッ・・・・」圭ちゃんは悪くない。私には踏みとどまる100億の瞬間があった。私が殺してしまった。あははは。自嘲的な笑い。「でも、魅ぃちゃんは自分の意思でひとりだけ救ったんだね」「圭一君だけを、殺さなかった。・・・・・・こんなにも強い力を持つ魅ぃちゃんなら造作もなかったろうに。・・・でも殺さなかったんだね」「さぁて。どうして殺さなかったのかねぇ。鬼の私にゃ見当もつかないわ。魅音の方に、殺したくない都合でもあったんじゃないの」 大石は外?逃げ場は?ない。「自首しよ。」魅音は少しだけ笑った。私たちも一緒に行くよ。「泣く子とレナにゃ〜」いつもの魅音。もうここには戻れないだろう。最後に一つだけ、「30分でいいから。・・・・・・圭ちゃんと二人きりにしてほしい」どうかな?いやなら無理にとは言わないよ。そうだね、私は鬼だもの。圭ちゃんはよそから引っ越してきた正真正銘の人間。相容れることなんて、オヤシロさまが実在し、仲介してくれない限り、絶対に無い。 同罪のはずの自分をかばってくれた。躊躇する理由なんてどこにもない。「あぁ、いいぜ」 圭ちゃんとは庭をぐるりと廻りたいだけ、退屈なら私の部屋で漫画を読んでいればいい、何ならお気に入りを持って帰ってもいい。「いやだよ。魅ぃちゃんの本は魅ぃちゃんのものだもの。勝手にレナの家に持って帰れない」こんなときに限っていい子なんだから。魅音レナをわしわしと撫でる。行こう、圭ちゃん。レナが引き止め、「魅ぃちゃんを、よろしくね」「あぁ」「魅ぃちゃん、もう二度と帰ってこれないって確信してる」「魅ぃちゃんが短気を起こさないように、見張ってね」「あぁ、そんなこと絶対にさせないから」レナが涙を擦る。「じゃあ、行ってあげて」レナの嗚咽が聞こえる。「どうして魅ぃちゃんは鬼なんか継がされちゃったんだろうね」「それは仕方の無いことだったんだろうね」「でも、あんまりにも可哀想だよね」頬に熱いもの。涙は見せられない。 赤くなる魅音。「腕、組んでもいいかな」許可がでると、ほくほく顔で腕を取った。「私に腕を組まれたら、緊張しちゃわない?たとえば、急に関節技を決められちゃうんじゃないかな・・・なんて思ったりとか。」試合揃って同じことを言うんだな。力加減や、腕の感触、温かさや、血の流れる感触が、まったく同じであることがよくわかった。「詩音も圭ちゃんのことが好きだったみたい」そうなんだ。心は穏やか。魅音と詩音は仲が良かったんだろう?「どうかな。圭ちゃんは自分の右手と左手は仲が良いと思う?」そういう尺度では測れない関係。利き腕のような差はあったような気がする。しかし、左手がなくなっていいなんて人はいない。そんな関係。それはきっととても仲のいいことなんだと思う。祭の前日じゃれあうのをうらやましいと思った。昔はからかって面白かったけど、互いが個性を持った今ではかえって邪魔なだけ。 魅音は大きく荒れた森へ誘う。「詩音は、まだ生きてる」「誰よりもむごたらしい死に方をさせてやろうと、ずっと考えて閉じ込めておいたけど。今日まで、その方法はとうとう思いつかなかった」魅音をわしわしと撫でてやった。私の罪を見て欲しい。「何を見たって」「俺にとっての園崎魅音は、最高の親友だ。それは変わらない。一生」「あんたもレナもどうしてこんなときだけカッコ良くなるんだろうね」 けもの道のような細い道をずっと行くと防空壕のようなトンネル。外からは死角になるような場所。鼻を突く異臭。「引き返すなら今だよ。中に入れば、その魅音はきっと、・・・・・・」何度だって言う、園崎魅音は最高の親友だ。おまえは魅音だ。鬼じゃない。人間で俺の仲間なんだ。目元をぬぐうような仕草。すごい匂い。飼っていた蟹を放置して死なせたのを思い出す。死臭。木造の入り組んだ通路。途中には土倉や住まいのようなもの。祭具殿の道具は戒律を守るためのもの。時代が変わってそれはできない。園崎家は作った、綿流しの儀が行えるように、秘密の場所を。 現代の祭具殿、一部は祭具殿から運び込まれたもの。よく手入れされ今でもすぐ使用できる状態のものばかり。壁も床もタイル張り、排水溝も。壁際にはとぐろを巻いたホース。大昔の書き物には血の飛沫には負担をかけないわりにインパクトがある。ショー。畳敷きの座敷、座布団。上手に綿流しを行った、観客はいないが。いや、観客は一人だけいたかな。「私という鬼が、魅音の執り行う綿流しをずっと見てたから。」ケタケタケタ。向こうが牢屋。 物々しい扉広い空間に裸電球。むき出しの岩肌は防空壕のよう。あちこちに格子の入った小部屋。梨花ちゃんたちは?死体?井戸に捨てた。ごめん。ごめんが無ければ殴りかかっていた。魅音は最高の友人だといったじゃないか。がちゃりと牢屋が鳴る。詩音。牢に駆け寄り、怪我は?詩音絶叫。魅音を見たからだ。落ち着いた声でなだめるも、絶叫にかき消されてしまう。「ご機嫌はいかがだった、詩音」もう嫌、誰の死を見るのも。私が憎いなら殺してよ!半狂乱。肩をすくめ、魅音に譲る。「安心しなよ。あんたは殺さない。まだまだ殺さないんだから。・・・くっくっく〜」「もうやめてえぇえ!圭ちゃんを殺さないでえぇえぇえ!圭ちゃんは何の関係もないでしょ?!殺すなら早く私を。私を殺してよ〜」あっはははははは・・・「そんなに死にたければ、この男を殺した後に、ゆっくりとひき肉にしてやるよ。・・・古式に則り、四肢の先端から少しずつ。ガリゴリと削ってミンチにしてやる」「あの肉挽き機はあんたのためにとっておいてあるんだからね」それとも圭ちゃんをした方が面白いかなぁ?今さら怖がらせてどうするんだよ。振り向くと三日月に残酷に口を歪まして笑う姿が。これは魅音じゃない、じゃあ誰。 後頭部をぶつけた時のような火花が見え、倒れこむ。「〜釘台なんかどうかなぁ?あのチビガキ二人組に試したかったんだけど、手が小さくて拘束台にサイズが合わなかったからねぇ!」あれにしよう!ずるずると引きずり出し、靴が片方脱げる。魅音の号泣。「あんたのワザとらしい空威張りには虫唾が走ってたんだけど、やっぱりそういうあんたが一番似合ってるよ。くっくっく!!」詩音平伏、魅音愉悦。これまでのことを謝ってみせてよ。そうしたら圭ちゃんだけは見逃してあげなくもないよ。聞き取る事ができないか細い声。しかし魅音は格子を蹴飛ばして不服と告げた。特別にもう一度だけ、一語一句でも間違えたらアウト。少しずつ体の自由を取り戻している、が、指すらまだ動かない。ついさっきまで魅音だったのにいつの間にか違う何かになっている。魅音はこんな、人間の尊厳を踏みにじって楽しむような卑劣なことは絶対にしない。「園崎詩音は魅音姉さまの足元にも及ばない、醜く情け知らずな愚か者でございます。身の程をわきまえずお姉様に働いた数々の無礼を思えば生意気だったこれまでを反省し、一生、魅音姉さまに忠誠を誓います。ですから、」あっはははは。「いいよ、もう。充分面白かったわ〜」たっぷりと圭ちゃんの悲鳴を聞かせた後でね。詩音絶叫。 手際よく拘束台に大の字に縛り付けられる。指の一本一本まで厳重に拘束する。手ばかり指ばかりが厳重にちょうつがいでぎりぎりと固定される。詩音の悲鳴、魅音の挑発「・・・・・・・・・いい加減にしろ」「ようやくお目覚め?私、さっき嘘をついたね。・・・詩音を、一番惨たらしく殺してやろうと思って閉じ込めておいたけど、まだ思いつかないって言ったやつ。あれが嘘」工具箱と歪な五寸釘「あの子に、自分のせいで死ぬ大勢の人の悲鳴をたっぷりと聞かせて、体の芯まで染み透らせてから殺すの。中々センスいいでしょ。くっくっく・・・」「・・・・・・お前は、誰だ」魅音でしょ?恐怖で頭が変になっちゃった?「・・・違うな。お前が、園崎魅音であるはずがない・・・!」 じゃあ誰なわけぇ?「・・・・・・鬼だ。」「・・・・・・お前は魅音じゃない。さっきまで一緒だった魅音を返せ」恐怖で頭がどうかなっちゃった?「触るなッ!!!この鬼め・・・!!!返せッ!魅音を返せ!俺の最高の友人だった魅音を返せぇえぇええッ!!」ぽかんとして魅音は聞いていた。錯乱しかけている事はわかっていた。世迷言だとはわかっている。だが、認めるわけにはいかないのだ・・・!魅音には本当に鬼が取り付いていて二重人格のような状態にして魅音を操っているのだと。魅音はただの被害者で、本当に悪いのはこいつ、鬼の仕業に違いない。「・・・・・・あんたって、本当におめでたい人だね。園崎魅音に殺されようとしているこの瞬間に、目の前の私を否定するわけ?・・・こんな面白い人が世の中にいるなんて始めて知ったわ」「・・・・・・・・・笑いたければ好きなだけ笑え。だがお前が何を言おうと、俺はお前が魅音だなんて認めない。・・・魅音を返せ。退け、鬼め!」わーっはっはっは。負けない、大声で本当の魅音に聞こえるように心のそこから。 「がんばれ魅音・・・!こんな・・・鬼畜生に負けるな・・・!!!本当に強い・・・お前の力を見せてくれぇえぇえぇ!!!」わっはっはっはっはっは! 涙が流れる。流れに任せたまま。「頼むよ・・・・・・魅音・・・!!!魅音!!!どこで・・・お前はこんな鬼に負けちまったんだ?!お前はこんな弱いヤツじゃないだろ?!負けるな・・・、戦え、・・・戦えぇえぇえ!!!」右手には金槌、小脇に何十本もの釘。何が行われるのかわかるが、叫んだ。わーっはっはっはっは・・・。「・・・・・・もういい?そろそろ始めるよ?いい声を出してね。これは圭ちゃんの拷問である以上に、詩音への拷問なんだからさ」「・・・・・・どうして、・・・・・・どうして、・・・こんなことに・・・。・・・・・・魅音・・・ッ!!!」男泣き、無念。魅音が鬼に負けてしまった何かへの、無念だった。魅音に変化が。高まった興奮が少しづつ引いているのだ。気づいた時、目の前のそいつは、魅音は取り戻していた。 「圭ちゃん。・・・冥土の土産、・・・なんて気の利いたものじゃないけれど。どうしても知りたがっているようだから。ひとつだけ教えてあげるよ」それが魅音なのか、鬼が取り戻したつかの間の人心なのかはわからない。「私の中に鬼が宿ったのはずいぶん前。…その鬼は私を蝕み凶行に駆り立てようとした。…だけれど、私はそれを理性で押さえつけた」「…鬼はそれで治まり、・・・私は、その鬼はどこかへ行ってしまったんだと思い込んでいた。…でも、本当は違った。……私の中から出て行ったのじゃなく、…私の中で眠っていただけだったの」魅音の目元に涙。「…その鬼は、ある小さなことをきっかけにまた目覚めてしまった。……それは…何に原因があったと思う…?」悲しい、でも責めるような。「……わかる?」魅音が鬼に負けてしまったきっかけがわからない「…………。鬼の私が教えるのも変だけれど。あんたが全てを狂わせてしまった元凶」魅音の目から、すーっと、涙が。「・・・・・・あの時、・・・あんたがもらった人形を、躊躇なく私に渡していたなら、・・・・・・全ては狂いださなかったかもしれない」「……圭ちゃんには理解できないだろうね。理解できなくて当然。……だけどね、そこからドミノ倒しみたいにパタパタパタといろんなものが倒れ始めて、…収拾がつかなくなってしまった」「…始めの小さなひとつを倒したあなたに自覚がないのは当然だろうけど、……あなたが元凶なの」「・・・・・・そんな・・・俺が・・・・・、」「………あんたが『魅音』を泣かせなかったら、…私は起きなくて済んだのにね」「・・・・・・・・これで充分? 冥土の土産は…」 「・・・そんな、・・・うそ・・・だろ・・・?」「・・・・・・自覚が無いのは当然。でも、紛れもなく元凶なのは圭ちゃん。・・・・・・あの時、あんたがさりげなく人形を私にあげていたら、・・・・・・多分こんなことにはならなかったと思う」その時、・・・あ、と声を上げそうになる。そのことをレナに教えられれて・・・謝ったつもりでいた。でも、謝ったのは魅音じゃない。あれは詩音だ。つまり、今日まで一言も謝っていなかった。謝ることがあると言っておいて、このことを一言も謝らなかった。・・・思えば、・・・祭具殿に入ったことを謝った時、魅音が落胆したような寂しさを見せていたように思う。鈍感野郎。「・・・ぅぅ・・・ぅ・・・・・・、」 「じゃあそろそろいい?この拷問はね、とてもシンプル。これから何をされるか、ニブチンのあんたでも・・・・・・分かるよね?」「・・・・・・他の人を相手にする時には何のためらいもなかったけど。・・・なぜかあんたにはためらいがあるよ」「それで魅音の鬼が治まるなら・・・、」気の済むようにやってくれ。「・・・あんた、本気で言ってるの?」「・・・俺が傷つけた魅音の痛みに比べれば・・・こんなの大したことないんだろ?」・・・・・・。 「・・・気の済むようにするといい。・・・そのかわり、・・・二つ約束しろ」無言。「・・・・・・俺を気が済むまで痛めつけたら、・・・・・・詩音は許してやれ。・・・祭具殿に忍び込んだ罪には、それで充分見合う仕打ちをしたはずだ」「あんた、・・・この期に及んで・・・自分より詩音の心配ができるわけ・・・?」「もう一つは、・・・気が済んだら、・・・もうお前は消えろ。・・・・・・その体を、・・・魅音に返してやってくれ。・・・・・・それだけだ」「・・・・・・。・・・・・・あんたって人は、命乞いをするとか、そういう考えは思い浮かばないの?」「・・・・・・約束、二つじゃなくて三つにしていいか。三つ目は、俺を殺すなにしてくれ」「・・・あははははは。最初に二つって言ったでしょ。・・・だからもう駄目」「・・・・・・そいつぁ残念・・・」穏やかに笑いあった。「・・・・・・多分、私は約束を守らないよ?鬼だから」「その時は仕方がないさ」ぐっと痛みを耐えるようにした。もう、覚悟は終わっていた。 魅音は金槌をおくと、頬をやさしく撫でた。「・・・圭ちゃん。今の、・・・三つ目の願いだけは、聞いてもいいよ」・・・・・・え、「一つ目の願い。詩音を救うこと。・・・これはもう無理。・・・・・詩音は鬼が殺してしまう。・・・それはもう決められた事だから止められない。だから諦めて」「そして二つ目の願い。この体を魅音に返すこと。・・・これももう無理。・・・・・・今日を境に魅音が戻ってくることはもうない。今日以降、もし私の姿が会ったとしても、それは姿だけ。・・・私の姿をした鬼だから」「・・・・・・そんなことはない。・・・・・・魅音は・・・魅音だ・・・!もう戻ってこないなんて・・・悲しいことをいうな・・・!」「・・・・・・聞こえる?あの音」耳を澄ます。ドォォン。一定の間隔で繰り返される鈍い音、地下祭具殿の鉄扉に大勢が体当たりをしているのだ。「帰りが遅いから、レナが大石を呼んだんでしょ。・・・・・・あのぼやーっとした感じの子が、こんなに頭が回るのだけは計算外だったな」同感だよ。魅音はニヤッと笑うとポケットから電気かみそりのようなものが。スイッチを押すと青白い火花。見たことないでしょ。本物のスタンガンだよ。出力はかなり上げられる。子供のおもちゃにはむかねぇぞ。「くっくっく、そうだね。」最初の扉を破った轟音「・・・・・・殺さないけど、しばらく圭ちゃんにはお休みしててもらうね。すぐに大石が来てくれるから。ちょっとの我慢」躊躇「・・・ごめんね。・・・魅音を汚して」「・・・・・・ここに入る前に約束した。何があっても、俺の中の魅音は変わらない」「・・・・・・でも忘れて。今日以降、もしも私を見かけても、・・・近寄らないでね。・・・・・・それは私の屍に取り付いた・・・鬼なんだから」さっきよりもはるかに強い光。意識は真っ暗。 昭和58年6月鹿骨市雛見沢村で、連続失踪事件が発生した。 容疑者は園崎魅音。容疑者は6月19日から21日までの間に雛見沢村住人5人(園崎お魎・園崎詩音・公由喜一郎・古手梨花・北条沙都子)を拉致、監禁して殺害した疑い。 事件は当初、情報不足のため初動調査で遅れをとったが、偶然的、電撃的に解決した。 23日午前中、園崎邸前を巡回していた警邏車両は邸内よりの悲鳴を聞き、緊急措置として邸内に突入。 失踪中の容疑者の妹(園崎詩音)とクラスメイト2名(前原圭一・竜宮礼奈)を保護した。 容疑者は現場より逃走する。 失踪者たちを殺害したと思われる園崎邸内の離れ地下奥、秘密部屋からは失踪者4人(園崎お魎・公由喜一郎・古手梨花・北条沙都子)の毛髪、皮膚片、血液などを発見。 秘密部屋内で失踪者たちが暴行を受けたものと断定した。ただし、その遺体は依然、発見されていない。 保護されたクラスメイトの証言から現場となった、園崎邸内の離れ地下にあるものと見て捜査を続けているが、容疑者の逃亡ルート共々、発見には未だ至っていない。 また、ほのめかしたとされる近年の連続怪死事件への関与も捜査が続けられているが、 園崎魅音が直接、または間接的にかかわったという証拠は発見されていない。 事件の動機には今もなお不明な点が多く、また、園崎家、雛見沢住民の極度の非協力もあり、その解明には膨大な時間を要することが予想される。 地域に詳しい地元警察の見解では、雛見沢村内の信仰に対する冒涜行為を巡る、内部懲罰、リンチ事件では無いかと見ている。 地域性に根ざした特殊な事件であることは間違いなく、県警本部は慎重な捜査を命じた。 容疑者の妹で、もっとも監禁期間の長いと思われる失踪者(園崎詩音)から重要な手掛かりを得られるのではないかと期待したが、 事件後、精神に重度の後遺症を患い、今日まで正常な事情聴取に応じられる精神状態に無い。 精神科医は、ショックによる一過性のものと診断したが、その回復の目処は今日でも立っていない。 6/27(月) あれから、・・・ほんの何日かが過ぎた。あの後レナが呼んだ大石等に捕まった。小さな火傷跡ぐらい。 検査されながら大石に質問を受けたが、何を応えたか覚えていない。奥の牢屋の大空洞から無数の通路や小部屋が広がっていた。そのどこかに隠し通路。 不幸中の幸いは詩音が無事保護された事。きっと大石が予想以上に早く駆けつけてくれたからだろう。もっとも詩音はざっくりと心に大きな傷。重度の錯乱噛み付いて抵抗。見る影見る影が魅音に見えて、鹿骨市内某所に引きこもっている。所在を転々とし、正確な所在は実家すらも知りかねていた。 現場検証でもう一度地下にいくが、何も思い出せなかった。もう二度とあそこへ戻りたいとは思えない。 自宅には連日、園崎家、魅音の両親が、大勢の子分を連れて謝罪にやってくる。両親が断っても、慰謝料として百万円の束をいくつも積んでいった。その額が積み重なり、二千万を超えた時、今度は手紙の入った封筒も渡された。その手紙の内容はわからないが、両親は二晩も話し込み、引越しを決めた。 夕方 「そっか。・・・引っ越しちゃうんだね。・・・いつ?」「来月の終わり。・・・・・・雛見沢には結局、半年もいつかなかったことになるな」「・・・・・・寂しくなるね。・・・私一人しか、・・・残らない」 「・・・・・・こう考えることがあるんだ」魅音は本当の意味で鬼隠しにあって消えてしまったのではないかと。消えた先には何があるのだろう。魅音が喜ぶような輸入物ホビーショップがあればいい。園崎魅音じゃない、ただの魅音として楽しく過ごせる場所ならいい。沙都子や梨花ちゃんも合流してるかもしれない。そして、いつか俺たちが合流するのを待ちながら、今日も賑やかに、部活に明け暮れているに違いないのだ。レナに話したら、笑って頷いてくれた。 園崎家が必死に隠していた事件もわずかなほころびから雑誌社にすっぱ抜かれ、芋づる式に近年の連続怪死事件が。ワイドショーでは連日このニュースを取り上げた。面白半分に。 俺はこの数週間最高の友人たちと出会い、最高の経験をした。マスコミの歪曲した魅音像。俺は、本当の魅音を知る数少ないひとりとして、それをずっと覚えていなくてはならない。それが魅音への手向けとなるから。 空は高く入道雲が、本当の夏はもうすぐ。 今でも、10時になると魅音から電話がかかってくる気がする。掛かってくるはずがない。だからこそ、どこから、誰が掛けているのか恐ろしい。それに、魅音はまだ捕まっていないのだ。全ては終わっていない。 しかしそれは、魅音の無事を祈る気持ちの裏返し。そう思えばその気持ちを抱いて寝る事ができた。 消灯。かつては消灯すると襲ってくるのは、恐怖の感情だった。それは2日と経たない内に後悔へ。月明かりが机の上の人形を照らす。あの日魅音に渡すべきだった人形。 事件から解放されて、まず行ったのがあのおもちゃ屋。店頭ディスプレイを残して売り切れだった。展示品は売らないと断られたが、事件の生存者である事が分かると、すぐに承諾してくれた。俺は渡せる機会をいつまでも待っている。 6/28(火) コツン。コツン。明かりをつける。コツン窓に小石がぶつけられている。時計を見ると深夜2時。門の灯りのところに人影。そいつが窓に小石を。その人影は、魅音だった。窓を開けて改めて見直す。魅音だ!魅音は人差し指を口元に当ててシーーーっと。寝巻きの上に上着を羽織って飛び出す。階段で急ブレーキ。これが最後の別れになるような悲しい予感がした。だから、部屋に戻り、人形を手に取った。神様に感謝。サンダルを履き、カギを開け、チェーンを開け、表に。 魅音!!「あははははは、お久しぶり〜。・・・どう?元気にしてた?」まるでいつもの朝に出会うように手を振り、いつもの魅音だった。「お前こんなところをうろついてて・・・・・・大丈夫なのか?!」「本当はいけないよ。えへへへ。」余裕が魅音らしい 「それより・・・どうしたんだよ。こんな時間に」「最後にお話したかったから」魅音の額に、玉のような汗がいくつも浮かんでいる。満面の笑顔も小さく震え、無理をしている。「・・・・・・私ね、・・・えへへへ、・・・もうここにはいられない・・・」言葉に辛そうな響きがこもり始める。「だ、大丈夫か・・・。どこか具合でも・・・。」「今日まで・・・が、が、・・・がんばってきたけど・・・、あははは、・・・自分でもわかるの」「もうだめ・・・もう限界・・・。私のお迎えは…もう、すぐ後ろまで来ている…。あははは・・・・・・」笑顔が強張ったものに。あははは・・・はぁ、はぁ・・・背中を擦ろうと手を伸ばすが、それは叩かれた。「大丈夫かよ・・・!無理するな・・・。あ、・・・そうだ。・・・俺、魅音に、」渡したいものがあったんだよ。最期の用事を済ませようとした。が、 ・・・・・・・・・・・おぷ・・・・・・、ぐぅ・・・・・・お腹が、・・・・・・熱い。 魅音が肉厚の・・・ナイフのような包丁のような・・・刃物を、・・・突き立てて・・・、それをぎゅうっと・・・押し付けて、ねじるように・・・ぐいぃ・・・っと。「け、けけけ・・・けけけけけけけけけけけ!間に合った・・・。間に合った・・・!・・・くけけけけけけけけけけけけけ!!!」地面にそのままうずくまる。魅音はそれを見届けると数歩離れてケタケタと。「げげげげげげげげげげげげ!!出来た、全部出来た!私が殺したいヤツは・・・これで全員・・・!!!げげげげげげげげげげげげげげげげ!!」あの日の魅音の言葉を思い出す。私の姿をした鬼だから。 血だまりに魅音のための人形が、赤く、赤く染められて。 悲しい月が、凍えそうなくらいに、白い。 昭和58年6月28日。 鹿骨市雛見沢村で傷害事件発生。 被害者は先の連続失踪事件の被害者でもある、前原圭一。 午前2時ごろ、自宅に現れた、先の事件の容疑者(園崎魅音)に腹部を刃物のようなもので刺され重症。 起き出して来た家人に発見され、診療所へ搬送。 一命を取り留めた。 犯人は逃走。 同日推定同時刻。鹿骨市上一色のマンションで、転落事故が発生。 被害者は先の連続失踪事件の被害者でもある、園崎詩音。 同日深夜、被害者が何者かと大喧嘩をするような騒動を隣人が聞き管理人に通報。 管理人が合鍵を使って室内に入り、8階のベランダから転落死した被害者を発見した。 室内は荒れはて、争った形跡のようにも見えた。 隣人は園崎家に古くから出入りがある人間で、当時の騒動を姉妹喧嘩、にそっくりで、互いに罵りあう声を聞いたと証言する。 先の事件の容疑者による、同日に発生した雛見沢村の傷害事件との関連性があると見て、 室内を徹底的に捜索したが、被害者以外の人間がいたことを示す痕跡は発見することが出来なかった。 被害者は真下にある植樹帯の植え込みに落下。 首の骨を折り即死。 着衣には乱れがあり、取っ組み合いをした形跡も見られた。 ・・・だが、事件後の被害者の特殊な精神状態から、錯乱による自殺ではないかとも見られている。 自殺と事件の両面から、慎重な捜査が行われている・・・。 某日 「本当に5分だけですからね。刺激しないようにしてください」「えぇえぇ、心得てますよ」大石が圭一の病室に扉を開け入ってくる。術後の回復は順調。顔を見たら悪くなりそう。笑いながら、お袋に菓子折りを渡す。「すみません、お母さん。ほんのしばらく圭一くんとお話しする時間をいただいてもよろしいですか?」圭一からも5分でいいから、と。大石無駄話。最期の5分にしてもらいたい。「・・・・・・俺はもう雛見沢とは関係ないし、・・・ここももう雛見沢じゃない」興宮には総合病院はありませんからねぇ。ここは鹿骨市内の大きな大学病院。転院は未定。圭一はいつでもいい。怪我のせいで引越しは遅れる。両親はすでに新しい引越し先での生活。圭一は搬送可能になるまで入院。これまでの罪滅ぼしに素敵なお土産。クッキーの箱にはより取り見取り。傷が張る。看護師フェチにしかなりませんよぅ?んっふっふっふ。 こういう切り出しは何か重要な話があるに違いない。詩音の件は気の毒だった。絶対に魅音。 鑑識の連中は自殺としか思えない。大石は圭一と同じ考え。詩音をつき落とし、圭一を刺した。一晩のうちに。 「・・・・・・魅音はまだ見つからないんですか」はい「実は見つかったんです」不思議な気持ち。安堵感と気の毒な気持ちと、他にも。「それだけじゃない。園崎家の例の地下。・・・隠し井戸も見つかったんですよ」「前原さんの仰せられてた通り、失踪者全員の遺体をその底で発見しました」そう、ですか。二人の生きてる可能性が消えた。実に巧妙「井戸状に掘られた垂直トンネルでして。・・・ハシゴがもうけてあって、下へずーっと行ったところに今度は横へ抜けるトンネルが作られていました」「・・・そこを数百メートルも這って進むと、何と山中の古井戸に抜けられましてね」秘密の逃げ道。明治以降。「みんなの遺体はその底に?」「はい。・・・逃げ道の通路よりもさらに下に、コ−ルタール状の泥水が溜まってまして。そこに無造作に投げ込まれていました。」「相当の高さから落としたわけですから、遺体はどっぷりと埋まってましてね。遺体の引き上げには大分苦労させられました」最低3人分の死後10年以上たった人骨。雛見沢の暗部。泥を吸い出したら何人分の骨が。それが魅音の重さ。鹿骨市内の過去数十年の失踪者の洗い直しが行われてる。 寄り道になりますが、梨花ちゃん「彼女、たとえば糖尿病でインスリンの注射を常用していたとか、そんな話はありました?」圭一わからない。「実は、彼女のスカートのポッケからですね」「注射器が見つかりまして。破損していたので、薬物は特定できなかったのですが。・・・・・・少々不似合いだったので、興味を持ちまして。・・・・・・本当にご存知ありません?」園崎の非合法にでも関わっていたとか言いたいのか?!いえいえ、「ただ、お醤油をもらいに行くついでに注射器を持っていくってのは、・・・どう考えても変ですからねぇ」目が回る。吐き気が。「・・・梨花さん、村のマスコットみたいな所がありましたからね。・・・いま、村は騒然としてるみたいですよ。・・・妄信してた年寄り方と殺してしまった園崎家とで」また、ダムがあったら、今度こそ廃村。「・・・・・・もう俺、・・・雛見沢とは関係ありませんから」本当は関係なくない。雛見沢が廃れる話は聞いて不愉快だから。早く打ち切って欲しい。 お袋がまだかと催促。無駄話が過ぎた。5分はとっくに。圭一もう少しと頼む。大石日を改めよう、と。「あの、大石さん。・・・・・魅音は今、・・・どうしてるんです?」「・・・・・・それを話す前に、前原さんに一個だけ。・・・本当に正直に答えてもらいたいことがあります」何ですか?「・・・・・・・・・本当に真面目に答えて下さいよ。・・・これ、いい加減なことを言っちゃうと、場合によっては捜査撹乱と見られて告発される場合もありますからね。」詩音を突き落とした犯人は?「・・・・・・魅音しか、考えられないじゃないですか」「では、あなたを刺したの、誰です?」「・・・・・・何度も言わせないで下さい。・・・・・・魅音ですよ。・・・・・・園崎魅音」釈然としない感じ。さっき大石さんも認めたじゃないですか。「・・・詩音殺しの犯人が魅音だという根拠は、隣人の男の証言によるものなんです。」「・・・・・・この隣人ってのは実は暴力団組員、つまり詩音さんのボディガードだったんですよ。この内のリーダー格が古参で、園崎姉妹が幼い内から親身になってた男なんだそうで、」隣の部屋から聞こえてきた騒ぎは、まだ姉妹が同居してた頃に聞いた姉妹喧嘩にそっくり。いや、間違いなかったと、証言。初めは錯乱による幻覚だと思って放っておいた。このような大騒ぎは毎晩だったから。いつになく長いので鎮静剤を与えようと部屋を訪れた。管理人にカギを持ってこさせるまでの間に騒ぎは収まった。一応、呼び出しに反応が無いのを確認の上、開錠。壁越しに聞いただけで、組の関係でほとんど住人はいない。園崎魅音を目撃した人は誰一人居ない。 あなただけが確かに魅音を目撃した唯一の人間。タバコ。「・・・・・・あなた、本当に園崎魅音に刺されたんですか?」「はい、間違いなく」 「実は園崎魅音も、・・・井戸の底から見つかったんですよ」 え?「転落死です。あの井戸の隠し通路から逃げ出そうとしてはしごを降りる途中に足を踏み外し、・・・底まで転落し、首の骨を折って死亡したと見られます。・・・はい。詩音さんと同じにね。首の骨を折って」えと・・・え?「あの日、前原さんを気絶させた後、園崎詩音は隠し井戸から外へ逃れようとして・・・。・・・・・・足を踏み外して死んだのです」「まるで、底に突き落としたほかの犠牲者の死体に呼び寄せられるようにね」おかしいじゃないですか「検死の結果、間違いなくあの日に死亡したものと確認されました。・・・あなたと詩音さんを襲ってからあそこに戻ったんじゃない」「・・・・・・あの日にすでに死んでいたんです。」誰が!「あなたを襲った、園崎魅音なのに園崎魅音じゃない、何者かですよ」 「鷹野三四さんの死、覚えてますか?」「え、はい。・・・・・確か、遠くの山の中で、・・・焼け死んだって聞いたような・・・」「あれは絞殺された後に焼かれたことがわかっています。・・・・・・検死したのは県警さんなんですけどね。これがちょっとおかしいんですよ」「・・・・・・初期の検死結果では死後24時間経過って出ちゃったんです。つじつまが合わないってことで、大慌てで当日死亡って改ざんしたらしいんですが」「この死後24時間って検死結果、うちの鑑識のジジイが言うにはですね。かなり信頼できるものらしいんです。・・・・・・つまりどういうことか?」「これは何度も聞いた質問になりますが、・・・・・・あなた綿流しの晩、・・・鷹野三四さんに会ってますよねぇ?」会ってます。「その前日、お祭りの準備の日にも会ってますよねぇ?私もその時お会いしてますし」えぇ。「死後24時間ってことは、お祭りの前日の晩にはもう死んでるってことになるんですよ」準備の時は生きていた、でも、祭具殿に忍び込んだ時鷹野さんはお亡くなりになっていたのです。 「今回の事件、死人が歩き回りすぎなんですよ。・・・なっはっはっは・・・」「・・・園崎魅音の死亡時間を、事件当日ではなく、あなたを刺した直後に改ざんせよとの圧力も来てるみたいです。・・・・・・この事件をとっとと終わらせようとする外圧でしょうねぇ」「ですので、今の話はどうか他言無用にお願いしますよ」あなたに取っての事件。終わらせようとしたのですが、かえって煙に巻いてしまったようで。お土産の中に名刺。また素敵なお土産。「では、またいつかお会いしましょう。お大事に」 コツコツと遠ざかっていく。放心状態。事件はまだまだ続いている。ぬぅっと鮮血をこびりつかせた腕。これは幻。ベッドの下からしわがれた魅音の声。 圭チャン、・・・ダカラ言ッタデショウ・・・。 私、アノ日ニ警告シタヨ・・・。 ・・・今日以降、・・・私ノ姿ヲ見タトシテモ・・・・・・ソレハ私ノ屍ニ取リ憑イタ・・・・・鬼ナンダヨッテ・・・・・・。 「そうだな、言ってたよな。・・・・・ごめん。・・・ちょっと注意が足らなかったよな。・・・だから刺されちゃったんだよな。・・・あははははは・・・・・・」 何本かの指の爪はぱっくりと開いて剥けかかっていた。その手は圭一の手を捜す。「あ、あのさ、・・・魅音。・・・・・・俺、今、こんな冗談を考えたんだ。・・・聞いてくれるか?」答えない。「た・・・たとえばさ、・・・俺が今日、・・・ここで死んじゃうんだよ。・・・・・・だけども、明日以降もここにいて、普通に生活して見せるんだよ」「・・・・・・で、・・・・・・あとでそれが大石のやつにわかって、・・・またしても、死亡日時が合わない。死んだはずの人間が生活していた・・・って言って泡を食って大騒ぎするんだよ・・・。鷹野さんに魅音、そして俺で3人目」「な?!面白いだろ?笑えるだろ?はははははははははははは・・・・・・!」 ・・・・・圭チャン・・・・。 「・・・笑えよ。・・・それとも、あ、あんまり面白くなかったか・・・?」手首を探り当て、ぎゅうっと。信じられない力で締め付けられ振りほどくことが出来ない。 ・・・・・圭チャン・・・・・・迎エニ来タヨ・・・ 何故か全身が動かない。指先は開き、握り拳を作ることも出来ない。拘束台の記憶。まぶしい光。左手の小指の先端に歪な釘の手触り。 まだ終わってない。まだまだ、まだまだ続いてく。 誰かこの事件を終わらせてください。この残酷で無惨で気の毒で悲しい、・・・この事件を終わらせてください。それだけが・・・・・・俺の望みです・・・ 「あの時、一つかなえてあげたでしょ?今度はダメぇ。・・・・・・あっははははははははははははははははは!!!」小指の先端に当てられた釘をぐっと押し付けた。金槌を振り上げ、 TIPS事件報告 上と同様 お疲れ様会 大大BADEND。 魅音編であっはっは! 沙都子わーん 詩音と大石と富竹と鷹野登場。 詩音、Kについて放置ザ・とも理論。 梨花ちゃんが泡麦茶ほしい。 ・沙都子 魅音が園崎が全部悪いで終わり。 しかし、それはみんなの期待通り。 ・魅音 魅音が犯人だと無理が多い。これまでの連続怪死事件が完全犯罪過ぎる。5年目は恐ろしくチープ。 ・沙都子 では、魅音に憑いた鬼の仕業?前回の予想通り。 ・レナ 上に同じ。 ・大石 同じ。数日前に死んでいたという、鷹野や魅音の情報。 祟り派は時刻についてトリックがあれば、かわせる。 ・詩音 園崎犯人説。園崎姉妹共犯説。魅音の格好をした詩音が圭一を刺す。 ・富竹 魅音は泥を被る役目。詩音はただの被害者を装える。魅音が隠れて、詩音は変装して殺すことが出来る。 ・大石 魅音の誤算は2つ、自分が見つかってしまった事と、死んでしまったこと。 ・魅音 やっぱり納得できない。魅音が窮屈すぎる。 ・詩音、魅音 魅音はあえて表舞台から消えた。だから、これまでの罪を全て被った。これまでの事件の真犯人を隠蔽できる。完全犯罪に出来る。 ・魅音 そして、真犯人は園崎家以外。「監督」ってのが怪しい。 ・詩音 姉妹が犯人。過去の事件の清算。御三家暗躍の歴史を断ち切るために起こした事件。 Q梨花 圭一は何故刺されたのか。 A沙都子 祭具殿に入ったせい。 でも、鬼隠しではなぜ? ・富竹 よそ者だから・・・ ・魅音 それなら両親にも危機があるはず。それはない。 Kに電話。無茶な言われよう。 むがー! | ||